6月11日に発表された、モバイル機器管理会社Mformationの委託による、米・英国の4000人を対象に実施された調査では、全体の40%が「財布より携帯電話をなくす方が困る」と回答した。
さらに同調査では、65%のユーザーが住所などの電話番号以外のデータを保存していることが明らかとなっている。彼らの携帯電話端末のメモリには、写真・動画・スケジュール・ダウンロードしたコンテンツなどが満載というわけだ。
日本でも、携帯電話を各種支払いやポイントカード・会員証の代わりとして使えるサービスである「おサイフケータイ」が普及し、生活の中心を取り巻く重要なデバイスのひとつとなっている。
こうした調査や市場環境から筆者が感じることは、携帯電話は“携帯できる電話”ではなく“携帯できる便利機能の集合体”へと進化しているということだ。
1日の行動を例に挙げて紹介してみよう。事前に映画のチケット予約をする。映画館を出た後、駅の改札をモバイルSuicaで通過し地下鉄で移動する。青山周辺のグルメ情報を検索し、店舗情報を確認する。その場で店舗へ直接電話をかけて予約状況の確認をする。
店舗までの最短ルートをGPS機能を利用して模索する。店内では雰囲気や料理をカメラ機能を利用して写し、友人にメールで紹介する。食事の後はクーポンを提示し、電子マネーで支払いを済ませ、ポイントを貯める。
店が気に入れば、店舗情報アドレス帳へ登録し、場合によっては次の食事日程をスケジューラへ登録する。こうした一連の行動がわずか100グラム足らずの携帯電話端末ですべて済んでしまうのだ。
このように、携帯電話が可能にしたさまざまなアクションだが、SEOに直結する機能はないのか。ここで、少し興味深い文献について紹介しよう。
2001年にヤフーが出願した「ウェブ検索サービス技術」における特許文献にはモバイルサイトとしての適合性を判定する指標についての記述がある。この適合性ポイントが高ければ、検索エンジンはそのコンテンツをモバイルサイトとして認識し、モバイルサイト用の検索結果に表示させる。
適合性を判定するロジックを単刀直入に表現すると、モバイルサイト特有の機能を実装しているか否かというものである。検索結果と当該ポイントの相関性について今回は触れないが、少なからずヤフーはこうしたポイントに着目している。
ここで、当該文献にも記述されている、一部のモバイルサイト特有の機能について触れたい。
【accesskey】
任意に指定したボタンを押すと、リンク先へ遷移する。物理的に入力デバイスの急速な進化が見込めない携帯電話端末では、非常に便利である。
【a href="tel:〜"】
番号をクリックすると、電話がかかる。特に飲食店サイトには欠かせない機能であり、モバイルサイトのポテンシャルを最大限に引き出すために必要な機能である。
モバイル検索ユーザーと、彼らのニーズに対する最も有意義なモバイルサイトの架け橋となるべきモバイル検索エンジンであるが、検索ユーザー視点からも“ユーザビリティの高いサイトを構築する”という理念を、モバイルサイトにおけるスパイラルアップの礎としていただきたい。
※「モバイル端末」という表現はPC端末という意味もあるため、本文中では便宜的に「携帯電話端末」という表現を用いる。
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