キングジムから11月10日より発売されたデジタルメモ「ポメラ(pomera)」。OSは搭載せず、もちろんインターネットにもつながらない。
文字入力に特化したテキストエディタ専用機だ。かなりエッジの効いた製品で、発表当初から賛否両論さまざまな声が上がり、大きな話題となっていた。
どんな声が多く寄せられたのか、実際の売れ行きはどうか。ポメラの開発者であるキングジム 開発本部 電子文具開発部 開発課リーダーの立石幸士氏と広報部リーダーの田辺賢一氏に話を聞いた。
立石:おかげさまで、10月21日の発表以来から大きく話題になりまして、11月10日の発売と同時に初回ロットは完売になる状態でした。増産を頑張っているところですが、お客様にはご迷惑をおかけしております。
田辺:お店によるとは思いますが、大手の店ではすでにないという状況のようです。われわれの在庫もまったくない状態なので、広報用にお貸し出しするサンプルも不足気味です。
田辺:実数については控えさせていただきたいのですが、当初は発売から12カ月で3万台の販売を計画しており、それをベースに、生産スケジュールを組んでいました。その読みが外れた状態ですから、そこから推測していただきたいです。
立石:賛否両論ですね。まず「賛」ですが、シンプルなコンセプトに共感していただいた声が多かったです。乾電池であること、打ち心地や質感がよいと評価いただきました。
「否」で当初もっとも多かったのは、1ファイル8000文字の制限はなぜかという声でした。ポメラの内部のメモリは128kバイトという非常に小さいものです。制限の枠を外してフルにつかえば、4万8000文字ぐらいまでは対応できるのですが、そうするとコピー&ペーストをしたときに負荷がかかって動作が不安定になる。ポメラの頭脳からすると、8000文字で区切った方が、使い心地がいい範囲での動作を保証できるというのが理由です。
立石:テキストを展開して編集するのは本体です。仮に制限を外しても、本体のメモリ間と移動するときにどうするのか、といった仕様を考えていくと、その縛りは必要でした。今後の宿題としては筆頭にあげてはいます。
田辺:利用シーンの想定は、ビジネスマンが打ち合わせの時に使ってもらうものでした。8000文字を打つというのはなかなかないですよね。制限があっても十分かなと思っていたのですが、われわれが想定していない使い方を考えている人がいた。
今後は、そういったコアユーザーに対しても商品を提供しようとするならば文字制限の解除を考える必要がありますし、ライトなユーザーに使って欲しいと思うのであれば、文字制限を外すことはないかもしれません。それは想定ユーザーをどこに置くかによって変わってくると思います。
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