リードデザイナーに聞く、史上最大規模の最新ARG「The Lost Ring」(前編)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、大熊あつ子、佐藤卓、小林理子2008年03月13日 17時17分

 テキサス州オースティン発--「I Love Bees」「Tombstone Hold 'Em」「World Without Oil」といった代替現実ゲーム(Alternate Reality Game:ARG)のプレーヤーなら、Jane McGonigal氏の名前は誰もが知っている。

 さらに、国際オリンピック委員会(IOC)、McDonald's、そして世界的なインタラクティブマーケティング企業AKQAの人々も何かしら語るべきことを持っているとなれば、McGonigal氏を知る人のリストと同氏の仕事は、すぐに幾何級数的に拡大する。

 というのも、McGonigal氏は、2008年3月にローンチした新作ARG「The Lost Ring」のリードデザイナーなのだ。このゲームは、2008年夏の北京オリンピックに結びついており、McDonald's、AKQA、IOCがMcGonigal氏に協力している。

 あるオリンピック競技が2000年以上も前に歴史から姿を消し、今、オリンピック級のアスリート5人が世界各地のトウモロコシ畑に突然現れたという、架空の設定を巡ってこのゲームは構成される。5人は記憶を失っているが、何か偉大なミッションを課されていることはわかっている。

 The Lost Ringのプレーヤーは、この5人がアイデンティティを解き明かすのに協力する任務を負い、その過程で、問題の失われたオリンピック競技をふたたび世に出すことになる。

 米国時間3月11日、McGonigal氏はここオースティンで開催されたSouth by Southwest Interactive(SXSWi)で基調講演を行い、ゲームデザインの方針を導くうえで用いる哲学について詳細に語るとともに、新しいプロジェクトについても少し明らかにした。

 講演の後、McGonigal氏はThe Lost Ringに関して、CNET News.comのインタビューに答えてくれた。話のなかで同氏は、このゲームが世界の人々の認識を変えてくれることをどれほど願い、このゲームがARGとしてずば抜けた史上最大のゲームになることをどれほど期待しているかについて語った。

 The Lost Ringはまだほんの初期段階であるため、制作の過程や、IOCやMcDonald'sといった企業パートナーとの協力状況については、McGonigal氏は多くを語りたがらなかった。それよりも、このゲームがどれほど革新的なのか、また、プレーヤーはこのゲームからどんなことが学べると期待できるのかについて好んで語った。

--The Lost Ringがどのように始まったのかお聞かせください。

Jane McGonigal:制作過程についてはあまり多くお話しできないことを、お断りしておかなければなりません。私たちはゲームそのものを関心の中心に置いておきたいと考えており、過程についてはまだ総括したくはないからです。私はとにかく、人々にこのゲーム体験について考えてほしい、分析や批評の前に体験してほしいと思っています。

2008年3月にローンチした新作ARG「The Lost Ring」 2008年3月にローンチした新作ARG「The Lost Ring」
提供:The Lost Ring

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