オーストラリアに本社を置き、世界11カ国で統合ネットマーケティング支援事業を展開するBlueFreeway。11月内に日本法人を設立し、日本展開を本格的に開始する計画だ。
グローバルネットワークと近く正式発表するネットマーケティングに特化したビジネスSNS(会員制コミュニティ)「blu.」を軸に、ネットメディアからネットマーケティングまで垂直統合した組織を持つGoogleやMicrosoftなどとは一線を画した対抗勢力になることをを目指す。
BlueFreewayのCEO(最高経営責任者)であるRichard Webb氏に今後の成長戦略や日本展開の狙いについて聞いた。
インターネットを中心としたインタラクティブコミュニケーションの進化は、新聞やテレビなど既存媒体社の業態を変えるだけではなく、今後5年間ですべての業態を変えていきます。そうなれば、あらゆる業態の広告主もこれに対応していかなければなりません。
しかし、現状の広告主は広告費の10%をオンラインに当てている一方、消費者は40%の時間をネット閲覧に費やしている。ここには大きなギャップがあるわけです。
このギャップが生まれている理由を世界のCMO(最高マーケティング責任者)に聞いてみると、オンラインマーケティングの手法が多数ある中で、それぞれベンダーが分かれていることからオンライン広告が後手に回っていると答えています。
そこでBlueFreewayはオンラインマーケティングに必要なものをすべて1社で提供できる会社になりたいと考えました。
戦略的な上場を実現するためのパートナーと手を組めたためです。
我々はベンチャーキャピタルなどとは一切お付き合いがなかったのですが、最初に利益を出しており、平均設立年月が8年の10社と手を組みました。この10社は我々が展開しようとしている統合マーケティング支援プラットフォームを実現するために必要な個別サービスをそれぞれ提供している企業たちです。
我々のビジョンに理解を示していただいたそれぞれの企業の株を買う権利を保有したまま上場し、その上場資金で権利を行使して10社を買収。その後、残りの上場資金を活用してさらにマーケティング支援サービスを展開している15社を世界中から探してきて買収しました。
オンライン広告が一層重要になってくる中で、(1) グローバルサービス網の提供 (2)オンラインマーケティングのプラットフォーム提供(3) 戦略コンサルティング──を重要視してビジネス展開していきます。
まず、グローバルサービスとしては現在、日本を含む「北アジア」(2007年11月中に日本法人設立)、「中国」、「インド」、「東南アジア」、「オセアニア」、「中東」「欧州」、「北米」、「南米」──の9拠点があります。さらに今後半年以内には、ロシアにも拠点を設けて10拠点になる計画です。
この経済先進国にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)を加えたグローバルネットワークを活用しつつ、例えば日本企業がBRICsで広告展開したり、逆にBRICsの企業が日本で広告展開するための橋渡しとなるサービスを統合的に提供していきます。
これらサービスを展開していく中で核になるのが、11月28日に正式版をリリースする「blu.」というプラットフォームです。これはシングルログインでマーケティングに必要なすべてのサービスを受けられる仕組みで、無料のSNS(会員制コミュニティ)および販促ツールや広告の効果測定など有料のマーケティング支援ツール(無料サービスもある)を提供していきます。
世界初のマーケッターのためのSNSをベースとした統合マーケティング支援プラットフォームで、例えば広告活動のケーススタディーをアップしてお互いに見られるようにしたりすることもできるようになります。
現状は子会社などが提供するblu.に組み込まれるサービスからの収入が50%、プロジェクトベースの戦略コンサルティングおよびサイト構築が50%。2010年にはblu.に組み込まれるサービスからの収益が70%、プロジェクトベースの収益が30%になると計画しています。blu.に組み込まれるサービスは今後もさらに増えていくので、相乗効果により高い売り上げの伸びを期待しているためです。
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