競争は良いことです。ユーザーは自分の友人に聞いて複数のサービスを使い分けると思います。人は自分の友人のアドバイスを信じますから。
たとえば、SkypeとJAJAHを比較しましょう。JAJAHの強みですが、たとえばSkypeと比較しましょう。Skypeの場合、コンピュータのスイッチを切ってしまうと使えません。また、ブロードバンドが普及していない国では、安価な通話手段とはいえないでしょう。
われわれには、他社に先駆けてスタートした“先行者のメリット”があります。スタート当初、主要プロバイダといえばSkypeだけでした。よく「どうやってSkypeと戦うのか」と聞かれましたが、サービス内容が違います。今は、同様にVoIPサービスを提供するRebTelなどの後発組が「どうやってJAJAHと戦うのか」と聞かれています。このように後発組が増えると市場の理解が広がり、われわれのランクを押し上げてくれていると感じます。
われわれのアプローチは、コミュニティにJAJAHを統合するという幅広いアプローチです。オンラインの状態で、クリックして誰かと通話できるというイメージです。重要なことは、便利さを提供することです。人々が固定電話が利用できても携帯電話を使う理由は、携帯電話はダイヤルする必要がなく便利だからです。この便利さのために、ユーザーは携帯電話の料金が高くても、携帯電話を利用しています。
競争は価格ではありません。どのサービスも価格競争からは免れられません。低価格は顧客を呼び寄せるための“エサ”でしかなく、価格で顧客を維持することはできません。本当に使える便利なサービスを提供しなければなりません。
JAJAHは無料通話を提供していますが、実はユーザーは、毎月平均10ドルを有償サービスに費やしています。月額サービスは提供していないので、ユーザーは支払う価値があると思ったものにその都度料金を払っていることになります。JAJAHには、先ほど挙げた電話会議、スケジュール機能、Outlookとの統合、テキストメッセージなどの便利なサービスがあります。今後は秘書機能も提供する予定です。これらのサービスにより、電話は、通話料金が安いだけではなく、容易に便利になります。これがわれわれの差別化です。われわれがJAJAHを開始する前には、VoIPの課題はたくさんありました。ソフトウェア面では専用クライアントをダウンロードする必要があり、ハードウェア面ではマイクとヘッドセットが必要です。ブロードバンド環境も必要で、ユーザビリティもシンプルとはいえませんでした。JAJAHはこれらの課題をすべてクリアしています。ソフトウェアのダウンロードは不要で、ハードウェアはすでにある電話機を利用します。ユーザビリティでは、電話番号を入力し、通話ボタンをクリックするだけです。
また、JAJAHはすでに電話回線を持っている人が第2のサービスとして利用するものなので、救急車など緊急の電話番号がかけられないという問題もありません。
われわれが感じている障害は、支払いです。オンライン決済をしたくないというユーザーは50%以上いる、といわれています。また、国や地方によってはクレジットカードを持たない人もいます。
すでに6月に、ビジネスアカウントサービスを提供開始しています。このビジネスアカウントでは、1社でアカウントを複数持つことができ、営業など部門に応じてグループ化できます。一般向けのJAJAHとサービス内容は同じで、インターフェースも同じ、価格も同じです。
主な違いは管理機能で、誰がどのように使っているのかを管理できます。アカウントごとに、何時間まで使ってよい、どこにかけてもよい、などの制限を設けることもできます。
このほかに、顧客サービスとして、自社ウェブサイトにフリーダイヤルのJAJAHボタンを付加することもできます。顧客はこのボタンをクリックすることで、無料でカスタマーサービスと通話できる機能です。通常フリーダイヤルは国別ですが、JAJAHでは全世界でフリーダイヤルサービスを提供できます。
コミュニティにJAJAHを統合し、クリックしてJAJAH通話ができるようにすることです。たとえば、MySpaceなどのコミュニティでは、ユーザーは自分のウェブサイトを持っています。ここでJAJAHボタンを配置し、クリックすることで通話できるようにします。車を販売するウェブサイトにJAJAHボタンを統合すれば、セールス担当とすぐに話ができます。
これに向けて、今後ブログやオンラインマガジンなどのウェブコミュニティと積極的に提携していく計画です。
ウェブコミュニティはさらなるコミュニケーションを必要としています。というのも、今日、本物のコミュニケーション機能を持つコミュニティはないと言っても過言ではありません。MySpaceでもインスタントメッセンジャーしか提供していません。ウェブコミュニティのうち、SkypeやMSN、Google Talkを利用するユーザーの比率は3〜7%です。Skypeボタンを提供しても、93〜97%は対象外です。つまり、全員が同じ(ソフトウェアベースの)サービスを使うというのは非現実的な考えです。また、PCはPCであり、電話する道具ではないと思っている人もたくさんいます。ですが電話機なら、誰もが持っているし、通話のために使うと思っています。JAJAHはここにフィットします。
よくSkypeといわれますが、われわれは、SkypeはGoogle Talk、Yahoo Messengerなどと競合していると見ています。これらは、PC対PCのコミュニケーションであり、ヘッドセットとソフトウェアが必要なサービスです。
JAJAHはこのグループには属していません。ユーザーは、PCを使いこなす技術スキルの高いユーザーに限定されません。弁護士から主婦まで、幅広い層がわれわれのユーザーです。
調査会社のForrester Researchによると、ウェブソフトを利用するのは、全インターネットユーザーのわずか3%とのことです。Skype、Google Talkのユーザーは、この3%の中に含まれます。われわれの潜在マーケットはインターネットを使うが、ウェブソフトは使わないという、残りの97%にも広がります。JAJAHのアプローチは新しいもので、“Voice 2.0”だと思っています。
また、JAJAHは既存の通信事業者とも競合しません。NTTなどの国ベースで提供している電話会社とパートナーの関係にあります。このように、第2の電話サービスを提供することは、グローバルに展開する上でメリットをもたらします。
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