2006年1月よりNTTドコモ、ボーダフォン、KDDI、ウィルコム向けにサービスが開始される、メールを利用した検索サービス「ニワンゴ」。企画・運営にあたるのは、携帯電話向けコンテンツ開発のドワンゴが、未来検索ブラジル、CELLと共に2005年11月14日に新たに設立した「株式会社ニワンゴ」だ(関連記事)。
メールを使った携帯電話向けの検索サービスにはグーグルやウェブドゥジャパンが相次いで参入しているが、ニワンゴの場合、キャラクターの「ニワンゴ」と会話する形式で検索を進める点が特徴だ。また、巨大掲示板サイト2ちゃんねるの管理人であり、未来検索ブラジルの取締役でもある「ひろゆき」氏こと西村博之氏が「取締役管理人」として参加していることも注目を集める1つの要因となっている。
未来検索ブラジルは「2ちゃんねる検索」や「未来検索livedoor」などの検索エンジン開発で既に実績を残しており、今回モバイルサービスに着手ということで注目されている。株式会社ニワンゴ設立とサービス開発の経緯について、ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏と西村博之氏に話を聞いた。
--はじめに、株式会社ニワンゴ設立の経緯について聞かせてください。
杉本氏:もともとは「いろメロミックス」という公式サイトの新サービスを話し合う中で、「メールを使って楽しいことができないか」と思いついたことがきっかけです。「メールを使ってやりとりするサービスが面白いんじゃない?」という話から始まって、今のニワンゴサービスのようなプロトタイプを作ったところ、これはサービスとして成り立つかもしれないと感じて事業化しました。
また、ドワンゴでは公式コンテンツ以外のいろいろなサービスを展開する計画があり、ウェブ以外のサービスというのは特徴があって面白いのではないかとも感じました。ドワンゴは他の企業がやっていないサービスを手がけたいという意識がすごく強いんです。ウェブのサービスや技術はいろいろと新しいものが出てきていますが、メールのサービスはほとんど進化していません。メールを使った企画というのはこれまで盲点でしたので、「市場があるのか?」と不安な反面、ビジネスチャンスはあると見込んでいます。
--2ちゃんねる管理人の西村氏が参加されているということも話題になっていますが、携帯電話向けサービスに挑戦する理由は。
西村氏:PCのサイト制作のノウハウは大体わかってしまったので、新しい魅力がないんです。その点、携帯電話ユーザーの特性はPCと全然違っていて面白いと思いました。そもそもサイト検索という概念がなかったり、まず公式サイトを利用したり、思いつきで携帯電話で商品を買ってしまったり。その携帯電話ユーザーの動向がサービスによってどう変わっていくのか見てみたい、という興味がありました。
--取締役管理人として実際に携帯電話向けサービスの開発に携わっていかがでしたか。
西村氏:役職については、「こういう肩書きになったよ」と伝えられただけで、僕もいまだによくわかっていません(笑)。立場としては、企画やシステムの仕様設計などに携わっているという感じでしょうか。
開発に関していうと、PCサイトの場合は基本的にWindowsとMacを使って、数種類のブラウザ上で検証すれば動作確認が終了するんですが、携帯電話の場合、すべての機種で動作確認をとらなければいけないので、スゲー面倒くさいんですよね。逆に、PCサイトほどレイアウトやデザインを綺麗にきちんと作らなくても、テキストだけで許されるのが楽だなと思いましたけどね。
--ニワンゴサービスのメールを使った検索とは、具体的にどんな仕組みなのでしょう。
杉本氏:まずユーザーから、携帯電話のメール本文に知りたい情報のキーワードを記入して、ニワンゴのメールアドレス「m@niwango.jp」に送信してもらいます。ニワンゴでは、キーワードに関連する情報やコンテンツを一次情報として加工・編集し、メールの文章としてユーザーに返信する、というシステムです。考え方としては「検索」なのですが、単純にPCサイトの検索サービスのようにURLのリストアップはしません。例えば天気が知りたい人には天気サイトへのURLではなくて、具体的な天気の情報を返します。
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