「Playboy」を創刊したHugh Hefnerに比べると、Norm Zada氏は見劣りがするかもしれない。
しかし、アダルト向けのグラビア誌「Perfect 10」を発行し、同名のウェブサイトを運営する同氏は、Hefnerにはないものをひとつ持っている。それはインターネット業界の巨人、Googleを相手取った裁判での大きな1勝だ。
Perfect 10は、自社サイトに掲載した画像のサムネールをGoogleが同社の検索結果ページに表示するのは著作権侵害にあたるとして、Googleを訴えていたが、この裁判で裁判所は先ごろ、Googleへの仮差し止め命令を認めた。
Zada氏は著作権のために戦う勇士であるだけでなく、著述家、資産運用マネージャ、元大学教授、数学者など、他にもさまざまな顔を持っている。
同氏は筋金入りのギークでもある。「ポーカー戦略の数理的分析(Winning Poker Systems)」(Prentice-Hall刊)は、彼の著書のひとつだ。
同氏は、1970年代初頭には、IBMの研究員という堅い職業も経験した。「コンピューティングの最大流問題におけるエドモンズ・カープ・アルゴリズムの理論効率(Theoretical efficiency of the Edmonds-Karp algorithm for computing maximal flows)」といった論文を執筆したこともある。
しかも、彼の父親はテクノロジー業界の多くの人が「ファジイ理論の父」と見なすLotfi Zadehだ。
先頃、CNET News.comはZada氏(Norman Zadehから改名)にインタビューを行い、これまでの経歴とGoogle裁判について話を聞いた。現在、Googleはこうした訴訟を他にも多く抱えている。
--Perfect 10はGoogleに対する著作権侵害訴訟で大きな1勝をあげました。この判決は、人々がインターネット上で写真などのコンテンツを検索する方法に影響を及ぼす可能性があります。しかし、あなたの名前はHugh Hefnerほど知られていません。まずは自己紹介をしていただけますか。
私は1972年から1973年まで、IBMの中核をなす計算機科学部門で研究員として働いていました。スタンフォード大学、コロンビア大学、そしてカリフォルニア大学ロサンゼルス校とアーバイン校で教えたこともあります(1975年から1982年)。講義の大半はオペレーションズ・リサーチ、つまり数学を経営に応用する研究に関するものか、経営大学院の授業でしたから、基本的には応用数学者といっていいと思います。
1982年にUCLAを辞めた後は、全米トレーディング選手権、全米投資選手権といった金融コンテストの開催に従事しました。「Money Manager Verified Ratings」という投資コンテストも手がけました。これらのコンテストはBarrons誌など、金融系のさまざまな雑誌や新聞で取り上げられたので、どの運用会社を使ったらいいのかといった質問を、あちこちから受けるようになりました。
しばらくは、他の資産運用マネージャーを紹介していましたが、1991年からは自分で資産運用を手がけるようになりました。この仕事は今も続けています。過去に損失を出したのは2003年のみです。
2003年に1度、預かっていた資金をすべてクライアントに返し、資産運用の仕事を辞めたことがあります。しかし、2004年に再開しました。Perfect 10の損失がとまらず、穴を埋める資金が必要だったからです。Perfect 10は1996年の創刊からこれまでの間に、4200万ドルを超える損失を出しています。私は今も資産運用の仕事をしており、そこで得た収入をPerfect 10の運営に充てています。
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