西田隆一(編集部)
2005/09/09 17:54
日本最大のインターネット企業として快進撃が続くヤフー。リスティング事業やオークション事業、ショッピング事業などいずれの事業も好調で、昨年度(2005年3月期)は売上高が1000億円を超える企業となった。来年にはいよいよ創業10周年を迎えるヤフーだが、ここ最近の気になる話題について代表取締役社長の井上雅博氏に聞いた。
--米ヤフーではIAB(Internet Architecture Board)の新たなガイドラインによる、広告の表示回数をブラウザーで表示した際にカウントする仕組み(クライアント・サイド・カウント)を導入していますが(関連記事)、日本のヤフーが導入するとなるとインターネットの広告業界に非常に大きなインパクトがあると思います。日本でのお考えを教えてください。
インターネットが信頼される広告メディアになるということが非常に重要だと思っています。既存のメディア(新聞、テレビ、ラジオ)は、過去何十年の歴史を経て信頼を築いてきましたが、インターネットは10年そこそこの歴史しかないのです。インターネットが信頼を得るために必要なステップがあるのだとすれば、多少手間がかかったりコストがかかったりしてもやるべきではないかと思っているのです。
(ウェブのコンテンツの表示では)普通はコンテンツを配信するサーバと広告を配信するサーバは分かれていて、それが非同期に調子が悪くなります。広告配信サーバの調子が悪いときは、広告が表示されたことにならないので問題にはならないのですが、コンテンツ配信側のサーバの調子が悪いときに、広告だけが配信されて表示されたことになっているのは、広告主に対して不誠実だろうと思っています。
その不一致については、だいぶ以前から対策をとってきていますが、クライアント・サイド・カウントは非常に有力な解だと思っています。ですから、実施すべきだと考えています。
しかし、おっしゃるようにJIAA(インターネット広告推進協議会)なども基本的には賛成しつつも、進め方については大手だけが牽引していくのではなくて、大勢の参加者に配慮することを考えているようなので、周りとの協調も考えながら実施していきます。(クライアント・サイド・カウントの)準備はいま進めていて、そのうちできることになると思います。
![]() 最近、気になるサービスはソーシャルネットワーキングサービスだという井上社長。ヤフーでもサービスされる日は近い? |
それから、インターネットは自由に情報を発信できるメディアということで、情報発信者の数が既存のメディアに比べて圧倒的に多いでしょう。それぞれが、広告の発信を自分でやらなければいけないのかということについては非常に疑問で、全員が全員クライアント・サイド・カウントの仕組みを開発する必要はないと思うのです。ヤフーとしてはその広告配信を請け負ってもいいと思っています。
--広告配信サーバとしての役割を担うということですね。
そうです。(広告配信サーバにも)いろんな技術が出てきますし、ある程度信頼される環境が必要でしょう。それを皆が多重化をしながらやっていくのは合理的ではないと思っています。また、広告主や代理店からすれば、1つのところに入稿すると、複数のメディアに出せますというふうになると思っています。
--クライアント・サイド・カウントになれば広告の信頼性は高まりますが、逆に広告を表示できるページビュー数は減少します。広告単価を上げることは考えていらっしゃいますか。
(ページビュー数が)減ったからといって、いままで嘘をついていたからそのぶん(料金を)多くくださいというのもどうかと思うので、付加価値をつけて提供することになるのではないかと思います。ただ、どのぐらい減るかはやってみないとわからないのですが。
--話は変わりますが、ウェブ検索の結果表示を、いままでのディレクトリである「Yahoo! カテゴリ」からロボット型のヤフーサーチに切り替えると聞いています(関連記事)。なぜここに来て切り替えるのか、また、既存のディレクトリの扱いをどうしていくのかを教えてください。
1つの検索結果がすべての利用者にとって共通のベストというのが難しくなってきているのが全体感なのです。ざっくりと大きく区分けすると、初心者に近ければ近いほどディレクトリサービスはよく使うかもしれません。上級者になればなるほど、普通のロボット型の検索の結果を好む傾向があるかもしれません。それをいくらかの割合で配合して、一番多くの人がそれなりにいいと言ってくれる結果の表示を作ろうと思っています。
いまはそのベータ版みたいな形で、その表示を使った人のそのあとの行動とかアンケートをとって、微調整して変える必要があったら変えていこうと考えています。
日本のインターネットユーザーもインターネットを使い慣れた人が増えてきたということなのではないかと思うのです。実際、Yahoo! カテゴリが使われているのかというと、だんだんそうではなくなってきているのです。キーワード検索の方を主体的に使う人が増えてきているのを踏まえての変更で、これはアメリカが2年前ぐらいから始めています。
今後どうするのかというと、当面Yahoo! カテゴリを作っていく作業については継続的にやっていき、見ようと思えばその結果も見られようにします。検索結果の順番が逆になるという感じです。
今後の方向としては、検索結果をパーソナライズできるのが正しいのではないかと思っています。年齢層にしても興味の対象にしても、インターネット経験歴にしても、非常に幅広くなってきて、1つのもので全部を満足させるのは無理なので、それでひとりひとりが好きなように検索結果を出せるようにしたらいいのではないかと基本的には考えているのです。
--有料でYahoo! カテゴリに登録できるビジネスエキスプレスのサービスは継続するのでしょうか。
当面、継続します。ビジネスエキスプレスを登録するとロボット型検索のロボットがサイトのデータを拾ってくれます。
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