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YouTube政治討論、子どもの成長、世代内格差―インターネットの関わり方を考える

2007/09/05 08:00
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 親はみな、技術が子どもにどういう影響を与えているのか気になっている。MITのメディア研究者であるHenry Jenkins氏は、その答えを出すべく問題に取り組んでいる。

 MITの比較文化研究プログラムのディレクターであるJenkins氏は、John D. and Catherine T. AmcArthur基金からの助成を受け、デジタル環境が子どもに与える影響を研究し、同氏のグループの研究成果に基づいて教育カリキュラムを開発する活動に取り組んでいる(2006年、MacArthur基金は、デジタル教育と新しいメディアリテラシーに取り組む研究者とコミュニティで活動する人々のネットワークの構築に向けて、今後5年間で5000万ドルを投資すると発表している)。

 Jenkins氏は50歳。デジタル時代のポップカルチャーの専門家であり「Convergence Culture: Where Old and New Media Collide(収束する文化:古いメディアと新しいメディアの衝突)」を含む複数の著書を持つ。この著書への取り組みは、Convergence Culture Consortiumを生んだ。このコンソーシアムは、MTV NetworksやYahoo等のメディア企業の、技術に囲まれて育った世代に特徴的な参加型文化への関わりを支援している。

 CNET News.comはJenkins氏にインタビューし、新たなデジタルデバイドや、学びの場面でゲームがどのようにしてテレビに取って代わるか、そしてYouTubeでの大統領候補討論会について聞いた。

―インターネットと共に育ったこの世代をどう定義しますか。これまでの世代との違いはどんなところにあるのでしょうか。

 この世代の多くに共通しているのは、参加への期待があるということだと思います。これは、世界の一部になりたい、自分のあるがままを真剣に捉えてほしい、文化を消費するだけでなく、作り手でありたいという願望です。

 (研究によれば)オンラインのティーン層の57パーセントがメディアを作り出しており、彼らの3分の1が身近な友達や家族以外の人たちと共有するメディアを作り出しています。それらのメディアの多くは他のメディアの再編集によるものであり、この世代はメディアを単に消費するだけではなく、メディアを作り出していると言えます。

―続けて2つ質問させてください。1つは、エンパワーメントの感覚は、彼らの知性や彼らの社交性をどのように変えているのかということです。もう1つは、メディアの加工・再編集の多くのケースはまだ非合法な活動であり、彼らは一種の泥棒になってしまっていることを、あなたがどう考えているかです。

 両方とも面白い質問ですね。まず最初の質問から答えましょう。わたしは、彼らは非常に社会的なネットワーカーだと思いますし、少なくともこの子どもたちはデジタル環境に浸かっています。これが、まず最初にわたしが指摘しなければならないことです。なぜなら、これが「参加ギャップ(パティシペーションギャップ)」という概念の切り口だからです。

 メディアを作り出している57パーセントの子どもたちに話を戻しますが、これは43パーセントは違うということです。57パーセントの子どもたちは、大人の指導なしにこの世界に踏み込んでいます。なぜなら、大人のほとんどは、新しいソーシャルネットワークや彼らが活動している新しい参加型文化を理解していないからです。残りの43パーセントが取り残されているのは、技術やその環境に参加するのに必要な社会的スキル、文化的能力へのアクセスを持っていないからです。

 参加している子どもたちの中にも、他の隠れた要因があるのを発見しました。Danah Boyd氏(カリフォルニア大学の研究者)は、誰がFacebookを使い、誰がMySpaceを使っているかにクラス分けが影響しているという、非常に興味深い研究を行いました。彼らの中でさえ、分裂が起こり始めているのが明らかになっています。

 (しかし最初のグループについては)彼らは知識を共有し、離れた場所で協力し、さまざまな背景を持つ人たちと連携し、グローバルな文化に参加することを学んでいる子どもたちです。これらは、この世代に生まれている非常に強力な能力です。しかし、彼らは知的所有権やネットいじめ、この環境をどう進んでいけばいいのかといった問題でジレンマに直面しています。

 2つめの質問についてですが、これは誰もが対処法を見つけようとしている難しい問題である点を理解しなければなりません。今はコミュニケーションや情報との関わり方の、深く長い移行期のさなかです。この変化は、誰もが苦しまなくてはならない種類のものです。

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