元ディズニーCEOのM・アイズナー氏、Vuguruを語る - (page 3)

文:Caroline McCarthy(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年03月22日 08時00分

 プロレベルに達してないユーザー生成コンテンツは求めていません。そういう形で始めた人たちのコンテンツを翻訳したり、別のところに持っていったり、すでに有名になっていてこの世界に来たいという人たちを使ったりしたいとは思っています。しかし、どこにでも見られるようなものを扱うのではなく、最終的には始めと真ん中と終わりを理解し、コメディとドラマを知っている人たちと、高いレベルでプロフェッショナル的に作られた番組を扱います。

――プロフェッショナルコンテンツに焦点を当てるというのは、最近よく名前を聞くもう1つの動画関係の新興企業である、Joostと非常に似ていますね。最近の多くの動画関係の新興企業については、競合企業だと考えていますか、それとも潜在的パートナーでしょうか。Vuguruが優位な点はどこでしょうか。

 会ったことがないのでまだ分かりません。ただ、われわれは物語のあるところから出発しています。とにかく、物語です。感動、ユーモア、笑い、悲しみ、そういうものです。われわれの出発点は技術プラットフォームではありませんし、ただの技術プラットフォームには、スポーツ番組の終わりに使うスローモーションと同じ程度にしか興味がありません。スポーツで面白いのは試合そのものです。撮影方法や、技術の使い方によって、その魅力を高めることはできます。しかし大事なのは試合そのもので、われわれが興味を持っているのは試合であり、カメラではありません。

――一番の競合企業はどこですか。

 全く分かりません。最終的には誰もが競争相手になるのだろうと思います。なぜなら、これはインターネットの成長だからです。多くの企業は、プロが作ったものについて考えるようになると思います。なぜなら、私が思うに、結局は一般の人がひきつけられるのはプロの作品だからです。

――一般的には、これまで主流だったメディアは最近突然現れたインターネット関連の新興企業に遅れを取りはじめていると言われています。これに対してはどう思われますか。

 私なら既存のメディア企業の力を過小評価はしません。私がDisneyを経営していたとき、人々はDisneyは時代遅れだと考えていました。Disneyの企業価値は800億ドルでした。今では、DisneyやTime Warner、ABC、Foxやこの手の企業を時代遅れだと考える人がいるかは疑問です。確かに新しいプレイヤーはいるのですが、私ならBarry Dillerのような人たちを過小評価することはしませんし、他の舞台で成功してきた人たちも過小評価しません。彼らはもちろん馬鹿ではありませんし、彼ら自身が重要なプレイヤーでないとしても、彼らは世界がどこへ向かっているのか、何が大切かを知っています。Vuguruも新興企業の群れの中で立ち位置を見つけて、いつか大きなプレイヤーになることができるかもしれません。私は、これはスタイルやセンス、そして編集判断の問題だと思います。それが、この世界に入ってきつつある新しい要素でしょう。

――好奇心でお聞きしますが、Vuguruという名前は何から取ったのですか。

 ただわれわれが気に入っているだけです。メンバーの中から出てきました。この名前の音も、見る("viewing")という感触が入っているということも、この単語がフランス語の二人称複数形の「あなた」を示すというのも気に入っていて、とにかくなんとなく音も、見た目も、感触もよく、オリジナルでした。

――最後に、既存メディアとデジタル世界の交わりについての話が出るとき、多くの人はSteve JobsのDisneyの株を話題にします。あなた自身がインターネット関連の事業を始めようという今、この件についてはどういう見解をお持ちですか。

 これはSteve Jobsとは関係はありません。

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