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XMLの旗を揚げるマイクロソフトの目的とは?
米Microsoftの最も頼れる稼ぎ頭のひとつ、そして完成度は最高だが目新しさは少ない製品のひとつでもあるOffice Productivity Packageが最後にアップデートされた時、大きな話題となったのは、嫌われ者のアニメーションアシスタントClippyがいなくなったことだった。
しかし今回はそんな問題はない。Microsoftは10月28日(米国時間)、新しいOffice Systemを発表し、多数の新製品と、既存のアプリケーションへの大きな変更点について明らかにした。新しいOfficeは、企業データと情報をやりとりする大きなプラットフォームの一部として位置づけられている。
XML(Extensible Markup Language)ベースの新しい機能がWordやExcelといったお馴染みのプログラムに搭載されたことで、純粋なローカルアプリケーションだったこれらの役割が拡大された。新しいアプリケーションとしては、社内の業務プロセスに電子フォームを導入しようという意欲的なアプリケーションInfoPathや、共同作業(コラボレーション)のためのツールであるSharePointなどが追加され、デスクトップとサーバの違いはますますわかりにくくなっている。
しかし、MicrosoftのProductivity and Business Service GroupのバイスプレジデントであるJeff Raikesは、XMLの“配管”を話題にするのは的外れだと主張する。本当のニュースは、悩める労働者が新Officeの導入により、1日数十分の時間的余裕を得ることだと言うのだ。またRaikesは、サードパーティの研究を引き合いにして、Office 2003による業務効率化により平均的な事務労働者が週2時間も勤務時間を短縮できると語る。「Office 2003のメリットは、インフォメーションワーカーの業務効率を週2時間も改善できることと、またその効果を累積すれば平均8カ月で投資の元が取れることにある。これこそが、今回の発表の核心だ」(Raikes)
RaikesはOffice Systemに関してCNET News.comのインタビューに応じた。
---OfficeにはXML、DRM(著作権管理)など、新しいものが数多く盛り込まれています。新Officeの最大のポイントはなんでしょうか。
最大のポイントは、実は「変革」です。ユーザーはこれまで、自分たちの生産性におけるOfficeの意味合いを狭い視野で考えていました。我々はOffice 2003で、特にOffice Systemのコンセプトを確立することで、非常に明確な信号を送ろうとしています。Officeの役割には大きな変革が生じており、我々の使命はインフォメーションワークの様々な場面でユーザーを本当に支援することにあるというメッセージです。
---Officeアプリケーションと連携するサービスやリソースに焦点をあてていますが、アプリケーション本体の強化という点ではもう限界に達したのでしょうか。
そうは思いません。Outlookではクライアント機能を強化しました。WordやExcelの内部からの検索機能も追加しましたが、これらはユーザー個人の生産性を向上させるツールです。どれもユーザーに直接影響を及ぼします。私の唯一の懸念は、これらの機能強化は個人向けではないとユーザーが誤解するのではないかということです。しかし、どれも個人の生産性を大きく向上させるもので、それがWord、Excel、PowerPointで実現しています。
---MicrosoftはOfficeのアプリケーションに機能を追加し続けているにもかかわらず、機能のほぼ95%は利用されていないという調査もありますが。
私はそのような調査結果を見たことがありません。我々が見た調査では、組織全体を見渡せば、ほとんどの機能が誰かに利用されているという結果が出ています。80年代末のことですが、顧客が希望し、また非常にはっきりと我々に要求したのは、組織全体が同じものを使えるパッケージツールが欲しいということでした。そうすれば、財務担当者がExcelで複雑な分析をすることもできるし、技術文書の担当者がWordの機能を使うこともできます。
技術文書の担当者がExcelの全機能を利用しているかどうかは、全く重要ではありません。大事なのはユーザーが業務を改善する力を入手できるか、またサポートや教育を楽にするという視点から、同じ種類のソフトウェアを組織全体に展開できるかという点です。
---世間はそれをどう見ていると思いますか。
人々はある間違った認識に注目しています。ユーザーが利用するアプリケーションの比率に注目するのは誤りです。最終的に重要なのは、ユーザーに変化をもたらす何かを我々が提供するということであり、それがユーザーの関心事です。我々は製品発表の度にそのことを実行しています。
---ありとあらゆるXML機能を追加したのはなぜですか。XMLはMicrosoftがOfficeで利益をあげ続けるための唯一の手段であり、エンタープライズ分野に参入するための足がかりだと言われていますが。
クライアントとサーバの境界線に関する話というのは、業界内部の人間には興味深い話ですが、率直なところユーザーにとってはそうでもありません。最終的にユーザーが望むのは、自分の仕事をもっと簡単に完遂するのに役立つものです。「Officeのことを皆さんはクライアントとして見ているが、我々はサーバに重点を置くつもりだ」などと時間をかけて説明するつもりはありません。私が重視しているのは、仕事を完遂しようと努力している人がいるということです。そして仕事を行う中で、業務上必要な情報に簡単にアクセスできるようにすること、これが重要です。
世間ではちょっとおかしな見方もありますね。「XML技術があるからには、XMLを使ってOfficeビジネスを広げる方法を見つけよう」といったものです。実際は全く正反対です。人々が何をしようとしているか、よりうまく実行するのに何が役立つかということをきちんと理解することから始まって、結果的にXMLが情報へのアクセスを容易にする素晴らしい方法であるという結論に達したのです。最終的に重要なのは、XMLが使われていることではなく、XMLがユーザーにとって重要な役割を果たしていることなのです。
さてここで少しの間、別の立場に立ってみましょう。このソリューションを広く普及できることを考えると、XML技術について考察することは価値あることと言えるでしょう。我々はソフトウェアのアーキテクチャについて語るのが好きですし、今回の技術は何人かの優秀な技術者が本当に考え抜いて、アーキテクチャ的なプローチでソリューションを見いだしたひとつの例です。しかし依然として重要なのは、複数のシナリオがあったということ、特にソリューションの基盤であるOfficeを利用する能力があり、それがXMLの利用を促進していたということです。
---Office System発表時から700社のパートナーがいたことは、支えになりましたか。
間違いなく、支えの1つとなりました。しかし、私は別の考え方をしています。初日からこれだけの数のパートナーがいることで、Office Systemに何ができるかを世間に示せるというメリットがあります。私自身興奮を覚えます。しかし最終的なパートナーが700社だけだったら、失望するでしょう。
---しかし、パートナーの支持を得ることで、顧客にMicrosoftのソフトウェア漬けを強要しているわけではないと証明できるのでは。
我々が顧客に最も影響を与えうるのは、多くのパートナーに技術を提供し、様々な方法で我々のソフトウェアの能力を高められる場合です。顧客が可能性を見つけられるように支援すること、それが今回の変革の大部分を占めます。そして、我々が「Office System」と呼ぶ理由の大部分はそこにあります。
---Officeをフロントエンドで採用して複雑なエンタープライズソフトウェアのために使えば役立つと、自然に認識した大手IT企業もあったのでしょうか。
それはパートナー企業が話す内容です。しかし基本的には、企業はエンタープライズアプリケーションには多くの資金をすでに投資しており、ユーザーがその情報に簡単にアクセスしたり、これらのビジネスプロセスに簡単に連携する上で役に立つと言うと思います。
---OfficeのラインアップにSharePointやLive Communications Serverなどのサーバー関連の製品を追加した理由は何ですか。
最も重要なのは、我々はインフォメーションワークを非常に広くとらえようとしていることです。これこそが、まさにMicrosoft Office Systemの心臓部です。そして、Windows SharePoint ServicesはOfficeチームによって開発されました。ナレッジマネジメントにおいては、ボトムアップとトップダウンのアプローチを組み合わせることで、顧客が最も成功すると認識しているからです。
Windows SharePoint Servicesは草の根レベルでの協業を可能にします。IT部門に頼る必要もなければ、コラボレーションを可能にするマクロを書ける有能なエンドユーザーに頼る必要もありません。さらに、SharePoint Portal Servicesを使えば、簡単に組織内のナレッジを発見できます。ボトムアップとトップダウンのアプローチの組み合わせは、情報共有を向上させる最良の手段です。Microsoft内でこれらの問題について考えるのに最高のグループはInformation Worker Groupで、このサービスが同グループから出て来た理由はそこにあります。
---OfficeにDRMを追加する決断をした理由は。
あれは実は、昔のグループの副産物です。電子書籍担当のグループで、私はかつて先端技術と呼んでいました。私は電子書籍には長期的な可能性があると思っていました。しかし、電子書籍の閲覧機能の潜在力とコンテンツ保護技術に着目し、それをOfficeに統合したら一般的なビジネスコンテンツを扱う人々にとっても大きな価値を生むだろうと考えました。Office 2003とWordには閲覧モードがあり、そこでは電子書籍グループが考案したClearType技術を使っています。また、Information Rights Managementという機能もあり、実際にはこの機能はWindows Rights Management Servicesの一部として広く入手可能な形で普及しています。
我々にできることは、自分の文書に権限を設定できる機能を顧客に提供することです。絶対的に安全な機能を提供しようとしているわけではありません。これはユーザーが自分の意思を示すメカニズムです。私があなたに文書を送り、あなたがそれをコピー機に持っていってコピーしたいと思ったら、それは可能です。しかし、私が「印刷・複写・転送不可」という権限を設定した場合、私はあなたに対しそのコンテンツの扱い方に関する意思を明確に示したことになります。ビジネス環境では、情報量が信じ難いほど増加しており、また信じ難いような情報の流れが生まれているため、ユーザーに意思表示の力を与えることは重要です。
---米Sun Microsystemsなどが、DRMはOfficeアプリケーションに競合する製品を締め出すための手段でもあると指摘しています。
そのうち、セキュリティと認証メカニズムに関して互換性を促進するような仕組みが開発されると思います。我々は基本的に、ユーザーに情報に関する意思表示の能力を与えているだけです。Sunのような競合他社がそんなことを言うのは、自分たちが顧客に対して同様の価値をまだ提供できないからだと思います。
---多くのWebサービス事業者が、Officeのサポートで彼らのサービスの利用が促進されると期待しています。.Netを使ったMicrosoftの初期のWebサービスではクライアント機能が欠けていたのでしょうか。
それが最初の段階から視点として欠けていたのかは分かりません。我々の見方では、Office 2003はユーザーがXMLを活用できる最初で最良の例です。ひとつ重要なのは、それを論点としないことです。ユーザーはXMLに注目しなくてもいいのです。ユーザーは自分にとって重要なことに専念できればいいのです。実際はXMLが活用されていることを、ユーザーが注目する必要があるとは思いません。プログラマがXMLを扱っていればいいのです。
---Officeをプラットフォームとして確立するための幅広い活動に着手されましたが、次は何をするのですか。
我々は、インフォメーションワーカーの生産性を向上させるために自分たちに何ができるかを常に理解しなくてはなりません。。そのために次に何をするか。間違いなく、リアルタイムのコミュニケーションやコラボレーションのような分野、つまりOffice Live MeetingやOffice Live Communications Serverなどに巨額の投資をします。間違いなく、Longhornにも巨額の投資をします。これが次のステップ、それも大きな前進となるステップとなるでしょう。
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