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追い込まれるベリタス、活路はどこに

2003/05/22 10:00
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 米Veritasの最高経営責任者(CEO)Gary Bloomは、同社の今までのやり方に満足していた。しかし今、Veritasを根本的に改変する時期が来たとBloomは言う。

 一連の企業買収や新商品の発表を済ませ、Bloomは同社再編の真っ最中である。Veritasはバックアップ/リカバリ・ソフトウェアメーカーから法人向けデータセンターの技術サプライヤーへ生まれ変わろうとしているのだ。

  Bloomが事業拡大の必要性を考えるようになった背景には、同社のコアビジネスの調子が今ひとつだという事実がある。しかしそれ以上に、競争環境の激化がVeritasに大きくのしかかっている。同社は企業のストレージシステム管理支援分野で目覚ましい成長を遂げてきたが、EMCなどのハードウェアメーカーがソフトウェア市場に参入しだしたのだ。

 では、Veritasに残された市場はどこか。

  ユーティリティコンピューティングという人気成長中の市場でひと儲けしようと野心を持つBloomは、同社が優位な位置にいると語る。ラスベガスで5月4日〜8日(米国時間)に行われたVeritas Vision 2003を前に、BloomはCNET News.comのインタビューに応じ、今後の計画について語った。

---Hewlett-Packard(HP)やIBM、EMCは皆、ソフトウェアに結びつけることでストレージ事業を伸ばそうとしています。ストレージのハードウェアメーカーがソフトウェアを重視するようになったことは、何を意味しているのでしょう。

 ハードウェアのコモディティ化が明らかに進んでいます。2年半前、1メガバイト当たりの価格は15〜20セントでした。しかし現在では1メガバイト当たり4セントにまで下がっていると業界アナリストは指摘しています。ハードウェア事業の利益曲線が最低ラインを割る場合、次に選択すべき手立ては何か。答えは、ソフトウェアです。

 EMCはVeritasと競合するストレージソフトウェアメーカーになると言い続けてきました。しかし、彼らがそれを実現できるかどうかは疑問です。EMCを無視するわけではありませんが、ストレージソフトウェアでソリューション市場に参入しようとしている企業の中には、我々と提携しているような、もっと協力的なパートナーシップを持ったベンダーが他にもあります。例えば、HPやIBMと当社の関係は実際に拡大しつつあります。今の市場には色々な企業がごちゃ混ぜになって存在しているのです。

---ストレージソフトウェアを対象とした規格が構築されつつありますが、いま市場にある全てのハードウェアと深いレベルでの相互運用性を持つソフトウェアが、将来誕生するのでしょうか。

 現在ある規格のほとんどは、個々のハードウェアメーカーに相互運用性を持たせるための、非常に基本的なレベルのものです。深いレベルでの標準化はさほど進まないでしょう。規格自体は良いものです。しかし、今日の相互運用性を実現したのは規格ではありません。表現はあまり良くないですが、たまたま人質交換のような形でAPI(Application Program Interface)を交換したことから実現しただけなのです。君のAPIを渡せば私のもあげよう、という感じですね。

---APIの交換は今後なくなると思いますか。

 いえ、むしろどんどん盛んになっていくと思います。APIの交換は相互運用性を実現するためにちょっと遅れを取り戻そうとしただけで、環境が厳しく制限されることに変わりはないでしょう。我々の技術は、事実上どんな種類のデバイスに対しても相互運用性のある、非常にカバー領域の広いものです。他の企業が我々に追いつくには長い道のりを要するでしょう。

---歴史的に見て、バックアップ/リカバリ部門が事業の大半を占めていますね。Veritasはストレージ分野の広領域をカバーすべく成長努力を続けて来ました。

  それはちょっと違います。歴史的にはバックアップ部門が大部分を占めていました。我々はストレージや情報配信のコンポーネントを提供する企業から、ストレージの自動化を進める企業へと転換する努力を続けているのです。

---Veritasは新しい分野へ転換を図る必要があり、現在取り組んでいる事業分野の成長スピードは遅すぎて人々の期待に応えられない、という指摘があります。

 我々のコアビジネスは成長が見込めないと言われ続けているのは不思議なことです。Veritasは一昨年と比べて25%も成長しています。

 2000年末時点で12億ドル以下だった売上高も2002年末には15億ドルに改善しました。成長率は相対的なものです。ドットコムバブル最盛期のような50%、60%の成長はありませんが、それでも成長し続けています。しかも、我々はビジネス拡大にも成功しているのです。

---Cisco Systemsと提携し、ストレージ管理をネットワーク上に移す計画について言及されたことがありましたが、進捗状況はいかがですか。

 Ciscoとは引き続き提携していきます。我々が関係している商品も今後市場に出る予定です。Ciscoはストレージ技術を自身のスイッチ技術に取り入れました。スイッチの仮想化技術開発も始めていますが、市場への投入はこれからです。Ciscoとの提携が成功するかはCisco次第です。成功の鍵は我々よりもCiscoの手中にあります。

 Veritasは様々なネットワークスイッチに技術を提供しています。ストレージとネットワークが融合するこれらの市場に参入したいと考えているのです。最終的に、顧客はサーバーとネットワークの両方からストレージ管理できることを望むようになると確信しています。以前に比べ、アプリケーションや企業に依存する形になっていくと思います。

---競合のLegato Systemsが現在売却先を探していると言われています。Legatoの技術を獲得すべきと考えますか。それとも、他社の手に渡っても構いませんか。

 Legatoの技術も市場シェアも全く重要視していません。Legatoのシェアは小さく、同社が売却されるという噂も意外だとは思いません。ただし、Veritasは大企業です。売却されるようなことありません。

 IBMもその事業部門を売却する気はありません。少なくとも、そのような話は聞いていません。Computer Associatesはバックアップ事業だけのために買収されるような企業ではありません。事業範囲が広すぎます。Legatoは小規模で、既に大手3社に牛耳られているこの市場では最初に挙がる買収候補でしょう。同社が買収されても、市場に大きな影響があるとは思いません。

---全てのIT企業が直面しているのが、ストックオプションの費用計上問題です。Veritasが昨年これを実施していたら、赤字決算となったはずです。株主からオプションの費用計上を求める提案がありましたね。

 その株主提案には反対票を投じるようにと取締役会から提言されました。理由は2つです。まず、ストックオプションの費用報告をするための首尾一貫した手法が会計ルールに明記されていないことです。

 しかし今回の提案に関する一番の問題は、株主がVeritas幹部のオプションに関する費用しか計上を求めなかったことです。我々として言えることは、オプション費用の一部だけを計上するよう企業に求めたルールやシナリオはどこにもないということです。提示されている会計ルールは全て、全部を計上するか、全くしないかのどちらかです。

 私自身は、どちらでも構わないと思っています。会計ルール上、オプションの費用計上が求められており、また競合他社や業界全体、全ての企業に対しても首尾一貫した計上方法が提示されているのであれば、我々もそれに準じます。

 CEOとしての懸念はあります。オプションの評価額が正しいかどうかは大きな問題です。また、そういった情報は株主をひどく混乱させるのではないかと心配しています。Veritasが昨年赤字だったと見るのは間違いです。昨年の我々の実績を見てください。四半期ごとにざっと1億ドル以上のキャッシュを生み出しているのです。会計ルールのほうが複雑すぎるのだと思います。

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