「AdStirRTB」選定のワケ(2)--収益の最大化とアドネットワークの”広告在庫切れ”を防ぐ最適配信

CNET Japan Ad Special2012年07月26日 11時00分

 メディアの広告収益を考えるに当たって最大の敵となるのは、広告在庫切れ-配信される広告がなくなってしまい、1円の収益も上げることができない無駄なインプレッション機会を生んでしまうことだ。純広告の販売により、広告枠を常に売り切ってしまうような人気メディアであればそのような心配はないが、特に現在のスマートフォン市場では未だ純広売買が発展途上の為、広告枠を純広告で売り切ってしまうことが難しく、多くのメディアが広告在庫を豊富に持つアドネットワークを利用している。


ピクシブ株式会社
アカウントマネージャー
森田 泰行氏

 しかし豊富な広告在庫を持つアドネットワークであっても時期により収益性に大きなばらつきがあり、また、最悪の場合、広告在庫切れを起こしてしまうのが現状だ。

 そこで今回、収益性の高いRTB(Real-Time Bidding:リアルタイム入札)広告と、在庫の豊富な複数のネットワーク広告とを使い分けながら、収益の最大化と同時に広告在庫切れのリスクをコントロールしているメディア、ピクシブ株式会社 アカウントマネージャー 森田 泰行氏に話を聞いた。

イラスト投稿SNS「pixiv」における導入事例

 「pixiv」はイラストを投稿、閲覧、共有するCGMメディアの一つで、フィーチャーフォンでは月間8.5億PV、スマートフォンでは3.2億PVを誇り、さらに最近5ヶ月では毎月の利用上昇率が20%を超えるなど、10代、20代の男女に絶大な影響力を発揮するメディアである。

 「アドインプレッションが大きいと、CPM変動による収益性の幅が非常に大きく、また、それだけ広告在庫が切れた時のリスクが大きくなるので単一ネットワークで収益化を図るのは難しい」と森田氏は語る。そこで利用しているのが複数のアドネットワークを回しながらRTB広告を組み合わせて配信ができるモーションビート株式会社のメディア向けの広告プラットフォームSSP(Supply Side Platform)「AdStir」だ。

複数のアドネットワークを自由に組み合わせながら配信運用ができるサービスということでAdStirを使っている。いくつか他サービスも使ってみましたが、他社アドネットワークのタグを入れられないなどの制約が多く、これといったサービスがなかなか見つからなかったのが実情です。(森田氏)

 今は、RTB広告のフロアプライス(最低入札単価)を設定して、ネットワーク広告より高い単価の場合にRTB広告を配信し、そうでない場合は、次いで収益の高い4社のネットワーク広告を、収益性をみながらバランス良く配信することでネットワーク広告の在庫切れリスクを回避している。

 RTB広告はインプレッション課金型の広告であり、閲覧者の広告クリック数に左右されずに収益性を計算することができる。まずは任意のインプレッションをRTB広告に割り振り、その中で一定以上のフロアプライス(最低入札単価)を超えた入札のみRTB広告を表示し、フロアプライスに満たない場合には最適化された複数のネットワーク広告を表示することで、収益の最大化とリスクヘッジを同時に行っているわけだ。

また、当社ではサイトのブランドを保つために適切な広告を選んで掲載したいと考えています。AdStirは、RTB広告なのに全てのバナー、クライアントの確認をしたうえで配信ができるのがいいですね(森田氏)

 配信するネットワーク広告の選定やRTB広告のバナー単位での選択機能など、AdStirの自由度の高さと、大きな制約なく常にメディアにとって収益性の高い広告をリアルタイムで配信できることがピクシブにとって大きな魅力となっている。

今回はAdStirを選定するに至った、メディア側の背景を紹介した。AdStirは今後もDSP(Demand Side Platform:広告主向け出稿プラットフォーム)やアドネットワークとの連携を増やし、強化していく計画だ。これによりスマートフォン広告の網羅性を高め、メディアにとっての価値を高めていくという。メディア側の全てのマネタイズの基本プラットフォームとして、存在感を高めていく狙いだ。

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