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デジタル製品

最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム--お気に入りガジェットバトン第20回

2007/07/13 20:10
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ウェブもメールも要らぬのだ

Macこれが筆者にとって最強の“心理的防音ルーム これが筆者にとって最強の“心理的防音ルーム”

 文章を綴るという作業は、いつも同じペースで進められるとはかぎらない。その原因は前触れのない新製品の発表だったり、自分の体調不良≪のみすぎ≫だったりするが、やはりNo.1は「周囲の雑音」だと思う。執筆の能率を上げたければ、まず着手すべきは雑音の排除だろう。

 雑音と一口に言っても種類はいろいろ、車のクラクションや人の話し声など“物理的雑音”もあれば、メールのメッセージやウェブのニュースなどついつい興味を引かれてしまう“心理的雑音”もある。そのうち仕事の能率を下げるのは、間違いなく後者。つまり、ウェブもメールもない“心理的防音ルーム”に身を置けば、否が応でも原稿に身が入る……はずなのだ。

我に七難八苦を与え給へ

 筆者が利用している“心理的防音ルーム”は2つ、うち1つは「NEXTSTP 3.3J」。すでに販売が終了していたこのOSを、SONY VAIO 505GXに苦労して仕込んだのは8年ほど前。ウェブもメールも使えるが、ウェブブラウザはJavaScriptもCSSもサポートしないOmniWeb 3、メッセージを読むことに問題はないが日本語の入力(「クレア」というIMEをご存知か?)に苦労するMail.appと、8年前の時点からすでに常用するには辛い環境。メディアリッチになったこの2007年に至っては、立派な心理的防音ルーム仕様といえる。

 しかしNEXTSTEPといえどUNIX、Emacs.appで使用する日本語入力環境「SKK」を鍛えてみる気になったり、TCP Wrapperの設定にぬかりがないか調べてみたり、仕事の逃げ場にするネタは豊富。外部から遮断された七難八苦仕様の心理的防音ルームは……と探したところ、ちょうど一部好事家(「その筋の人たち」ともいう)の間で話題となっていた「Happy Hacking Cradle」に巡り会ったのだった。

そして漢≪おとこ≫は船出する

Mac右下のボタンを押せばSyncも可能だが、ほとんど使ったことはない 右下のボタンを押せばSyncも可能だが、ほとんど使ったことはない

 Happy Hacking Cradle(以下HHC)は、Palm IIIまたはIBM WorkPadでPS/2キーボードを使うための周辺機器。心理的防音ルーム構築の一環という理由もあるが、使い途を見失っていたWorkPadの有効利用策としても格好の材料、ということで購入を決断。当時から愛用しているHappy Hacking Keyboardと同じ、ストイックでスパルタンかつニッチな製品コンセプトに魅了されたことも大きい。

 このHHC+WorkPadという環境、心理的雑音の排除には最強といえる。不可能ではないがインターネットには接続し難いスペック、そして160×160ピクセルのB/W液晶。仕事の逃げ場にするネタは少なく、執筆そして締め切りという目の前に突き付けられた現実から逃げる術はない。大船に乗った気で……という慣用句があるが、HHC+WorkPadの場合、遠洋マグロ漁船に乗った気で執筆に取り組めるのだ。しかも愛用のキーボードとともに。

 実際の効果だが、まさにテキメンと言っていいほど原稿は順調に進む。ATOK for Palm OSを使えば、入力効率もPC並になる。HHCとWorkPad、ATOK for Palm OSのすべてが現在では販売を終えているが、筆者にとっては今後も手放せないガジェットであることは確かだ。

MacCAPTION:HHKはLite(左)も所有しているが、右下のカーソルキーが気に入らない。ノーマル(右)のほうが好みです CAPTION:HHKはLite(左)も所有しているが、右下のカーソルキーが気に入らない。ノーマル(右)のほうが好みです
海上忍氏プロフィール

かつては単行本ばかり手がけていたが、ここ数年はウェブメディアを中心に執筆。得意分野はUNIX/Linuxからデジタル家電までという自由律的活動を展開、斯業界における山頭火風ライターを目指している(ウソ)。


【使用製品】

Happy Hacking Cradle


【購入時期】

2000年前半。購入場所は失念

【お気に入り度合い】

敢えて困難な状況に身を置く、これもまたPCの楽しみ方と心得たり

【次回執筆者】

大谷和利さん


【次回の執筆者にひとこと】

ちょっぴり(だいぶ?)マニアックかつ鋭い視点を持つ大谷さん、そうきましたか、というガジェットを紹介してくださることでしょう。

【バトンRoundUp】

START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム)

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