「Kindle 3」詳細レビュー--人気電子書籍リーダーの評価はいかに(後編) - (page 2)

文:David Carnoy(CNET News.com) 翻訳校正:石橋啓一郎2010年09月17日 08時30分

 このKindleと既存のNookを比較してみると、縦横の大きさで見た場合、KindleはNookよりも若干小さいだけだということがわかる。しかし、Kindleは厚みがかなり薄く、重さは2.5オンス(22%)軽くなっている。これは大きな違いだ。

 どちらのデバイスも、PDFの閲覧にはそれほど向いていないが(その点ではiPadはずっと優れている)、Nookには業界標準であるEPUB形式のデータをサポートしているという利点がある。一部の図書館は、EPUB形式の電子書籍の貸し出しを始めているほか、Google Booksなどから無料でパブリックドメインの電子書籍が数多く提供されているので、EPUB形式が利用できることは重要だ。その一方で、AmazonはKindle向けに、多数の有名な古典を含むパブリックドメインの電子書籍を1万2000冊以上提供しているので、EPUB形式に対応していないことは、ほとんどのユーザーにとっては障害にならないだろう。

 EPUB形式と互換性がないこと以外にも、KindleがNookに後れを取っていることがもう1つある。Barnes & Nobleの電子書籍リーダーであるNookは、所有者が(出版社が許している本については)電子書籍を知り合いのNookユーザーに「貸す」ことのできる、書籍貸し出し機能を提供している。それぞれの書籍を貸し出すことができるのは1回限りで、貸出期間は2週間だけだが、現在のところKindleに同様の機能はない。

 ほかのKindleに対するNookの優位点には、交換可能なバッテリーと拡張可能なメモリが挙げられる。ただし、後者については2つの理由から大きな問題ではない。Kindleが持つ4Gバイトのメモリには約3500冊を保存でき、仮に音楽ファイルやPDFのような他のファイルのためにメモリが必要になった場合でも、以前Amazonから購入した電子書籍は、いつでも1分以内に無料で再ダウンロードできるのだ。

 Nookはカラーのタッチスクリーンを備えており、本のカバーを見たり操作するにはこちらがの方がいいという人もいるだろうが、このスクリーンのためにバッテリー寿命が短くなっているのも事実であり、無線を無効にした状態で4週間利用できるKindleのバッテリー寿命は、現在のところ電子書籍リーダーの中で群を抜いているという点にも注目すべきだ。

 KindleとNookが接戦を演じている分野の1つに、他のデバイス上の電子書籍にアクセスする機能がある。Kindleで1冊本を買えば、iPad、iPhone、iPod touch、Androidの携帯電話、BlackBerryの携帯電話、Windows PC、MacのどのKindleアプリケーションからでも、その本にアクセスできる(これはNookでも同じで、やはり上記のすべてのプラットフォームで利用できる)。したがって、iPadに買い換えても、あるいは他のどんな一般的なOSに乗り換えても、過去に購入した電子書籍には問題なくアクセスできるはずだ(これとは対照的に、AppleのiBookstoreで購入した電子書籍は、iPad、iPhone、iPod touchでしか利用できない)。

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