本製品でもっとも気になるのは、1回フルチャージした状態で、いったい何台の機器を再充電できるのか、およびその再充電にどのくらいの時間がかかるか、ということだろう。
筆者の環境で測定したところ、第5世代iPod(60Gバイト)、およびiPod nanoとも、2回の再充電が可能だった。3回目の再充電の途中でバッテリ残量がゼロになったので、およそ2.5回分ということになる。
iPod nanoは1回のフル充電で最長14時間の再生が可能とされているので、本製品を用いて再充電を繰り返せば、単純計算で35時間、つまり3日弱の再生が可能になる(充電そのものにかかる時間は除く)。これなら、ちょっとした旅行に持って行く場合など、パソコンのUSBポートからの充電環境がない場合も安心だろう。なにより、iPodにとどまらず、他の携帯音楽プレーヤー、さらに携帯電話やPSPなど、USB給電をサポートした機器すべてがこれ1台で再充電できるのはありがたい。
また、再充電の所要時間については、パソコンのUSBポート経由で充電する時間とほぼ同じと見てよい。例えばiPod nano1台を再充電した場合、およそ2.5時間かかったが、これはiPod nanoをパソコンのUSBポートに直接接続して充電する場合とほぼ同じだ。パソコンのUSBポートに接続した場合と、ほぼ同じ使い勝手を実現していると言えるだろう。
なお、ACアダプタを利用して本製品への充電を行いつつ、接続したUSB機器の再充電も同時に行うことも可能だ(パス接続)。本製品のバッテリが空の状態で、さらにUSB機器の再充電も同時に行いたい場合は、この方法を用いるとよい。
冒頭にも書いたが、USB充電をサポートする機器は、いまや携帯音楽プレーヤーにとどまらず、携帯電話、ゲーム機など、広範囲に広がりつつあるのが現状だ。日々持ち歩いているツールの中にUSB給電可能な機器が2つ以上あるのも、決して珍しくはないだろう。
これまでであれば、モバイル機器を持ってちょっとした旅行に出掛ける場合、それぞれの機器専用のACアダプタを持ち歩く必要があった。しかし、プラットフォームがUSBに統一され始めた現在、本製品のようなバッテリーパックを1台携帯しておくことで、すべての機器をUSB経由で充電することが可能になる。USB機器側の端子の形状が違う場合、ケーブルだけは別途用意しなくてはいけないが、ACアダプタをいくつも持ち歩くのと比べると、荷物の量はケタ違いに少なくて済む。
特に、移動中の電車や飛行機の中でも手軽にバッテリーを再充電できるメリットは計り知れない。通話中もしくはワンセグ視聴中にバッテリがなくなってしまったという場合でも、大いに役に立つだろう。また、海外旅行などの際も、本製品を経由すれば、国ごとの電圧などを気にせず充電が可能というメリットもある。
唯一デメリットを挙げるとすれば、ACアダプタがやや大柄でかさばる点だが、機器ごとに複数のACアダプタを持ち歩く煩雑さに比べれば、大きな問題にはならないだろう。標準価格は7980円とやや高価だが、実際に使ってみた限り、この価格以上のメリットがあると感じた。ワンセグや動画視聴など、なにかとバッテリの駆動時間が問題となる現在、モバイラーを自認するユーザーにとって、本製品は必携のアイテムだと言えそうだ。
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