インターネット上の多くのサービスは、無料で提供されている。
最初から顧客獲得を狙って無償で公開している(そして、顧客がたくさん集まれば、媒体価値が生じるから広告で収益を得ることができるようになるだろう……)。あるいは、競合との優位確保のために無償での提供を決断した(評判になれば、単独で収支があわなくとも、大手プレーヤーに買収してもらえるに違いない……)、など「いつかはきっと(あるいは、きっと逃げ切れる)」系のエグジットを狙ったビジネスデザインでありながらも、それなりの評価を得ているサービスは多々ある。
映像投稿サイトのYouTube、映像投稿に匿名コミュニケーションを組み合わせたニコニコ動画、MySpaceやmixiといったSNSの多くのプレーヤーたちが無料でのサービス提供を行っている。そして、彼らのほぼすべてが、ベンチャービジネスのABCともいえる収益事業計画についてはほぼ白紙のままでサービス提供を開始した。
今でこそ巨大なシェアと高い収益率を誇る米Googleや日Yahoo!だって、決して確信犯的にそのビジネスをスタートしたわけではなく、むしろ「だって、やりたかったんだもん」的にサービスを始めたことは、広く知られている。
彼らがそれでも何とかなってしまったのは、幸いだ。普通、そうは行かない。むしろ、その轍の周囲には息尽きたベンチャーが死屍累々とあるのが現実なのだが……。実際、これまで、現実世界だけを相手している限りは、こんな無茶な挑戦はありえなかったし、例外的な成功者も生まれてこなかった。しかし、ポスト・インターネットの時代には、それが「アリ」になった。
その理由として、無料サービスを可能にするビジネスモデルが成立しているからだ、といわれる。
米オンライン雑誌「WIRED」の編集長として、あるいは「ロングテール」などの提唱者として知られるChris Anderson氏は、そんな無料サービスを総称して「フリービジネス」と呼び、以下の6つに分類している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」