田中誠
2007/07/23 19:59
ビジネスを構成する要素「人・モノ・金」。企業が連携する時、自社の現状を見きわめた上で「今、最優先で必要なもの」を適切に判断し、相手を探すのは意外と難しい。コーポレートベンチャーキャピタルを特集する第3回目は、自社の見きわめを冷静に行い、互いに必然性のある部分で提携したことが自然に成功へ導いた例を紹介する。
他社に追随できるアフィリエイト事業を得るために提携先を欲したオプトの福岡裕高氏、資金調達というよりもより良い事業パートナーを求めていたインタースペースの河端伸一郎氏。両者はそれぞれの「必然性」について語る。
勝屋氏:3回に渡ってお届けしてきたコーポレートベンチャーキャピタル特集、最終回のゲストは、オプトの福岡さんとインタースペースの河端さんです。まず福岡さんから、オプトの中では投資事業をどういう位置づけで行っているのか、どこにフォーカスしているのか、そのあたりからお聞かせください。
福岡氏:基本的には事業提携を目的としているため、純粋な投資事業は行っていません。出資パターンを分類すると、1〜3%といった少シェアの出資か、15%以上の出資に分類できます。
1〜3%の案件に関しては、徹底的に事業提携を押し進めます。15%以上の案件に関しては、前提としてグループ企業ですので、経営者同士のミーティングを開催したり、シナジーの創出手法をじっくりと考えていることが多いですね。
オプトの主力事業である4分野、広告代理事業、テクノロジー事業、制作などのソリューション事業、コンテンツ事業を補完する事業にフォーカスするという方針はありますが、それ以外の分野の案件も幅広く検討しています。
勝屋氏:本体投資の場合とファンドを作る場合がありますが、どちらですか。
福岡氏:オプトと事業シナジーがある案件は全て本体投資です。オプトが設立に関わったファンドも存在しますが、お互いに自主的に動いています。
勝屋氏:今、出資している企業は何社くらいありますか。
福岡氏:子会社を100%出資で立ち上げることが多くなったため、シェアの多寡に関わらず、総計で40社くらいに出資しています。投資事業は2005年からはじめたため、まだまだ歴史は浅いです。
勝屋氏:では、インタースペースの会社概要や特長を教えてください。
河端氏:主な事業はアフィリエイトビジネスです。クライアントのニーズを満たす事と、それによる対価を得ること、アフィリエイト事業はそれを一度に解決できる方法だと考えて2001年の頭に参入しました。当時はまだアフィリエイトがビジネスとして育っていくのかどうかは見えない状況でしたが。
インタースペースでは、顧客とのwin-winを実現することを理念としています。ですから、メディアの選別やクライアントへの提案などは自分たちが儲かるという基準ではなく、お客さんが喜んでもらった結果、我々の収入があるという考え方を徹底しています。
会社全体の誠実さはどこにも負けませんし、それが長期的な信頼にも繋がると思っています。具体的には、現在、社員は100名ほどいますが、新規営業をしている人間は15名くらいしかいません。どうクライアントに成果を上げてもらうかという運用部隊の方に、その3倍くらいの人員を使っているんです。そういうカルチャーが当社の強みだと思います。
勝屋氏:出資したのはいつ頃ですか。
福岡氏:2005年3月ですね。2005年1月に僕がオプトに入社しているので、まさに、最初の投資案件でした。
勝屋氏:投資をする際には社内にもその案件を通す必要があります。最終的な出資に至るまではどういう経緯だったんですか。
福岡氏:オプトがインタースペースさんに出資をすることによって、両社がハッピーになるためのシナリオを考えました。ヒト、モノ、カネの視点で考えると、河端社長は投資するに値する経営者かどうか、アフィリエイト事業はオプトが投資して注力したい事業かどうか、その視点では、どちらもイエスでした。
2005年時点でオプトは、アフィリエイト事業では完全に出遅れていました。セプテーニさんは自社でアフィリエイトネットワークを、サイバーエージェントさんは自社メディアを持っていました。オプトにとってアフィリエイト事業への投資は必須だったわけです。
最後に、株価やシェアのカネの視点ですが、最初に受けた要望が「少額少シェア」だったため、悩む必要がありませんでした。本当は、もっと欲しいと回答したかったのですが(笑)
河端氏:担当者同士がお互いに知っているという感じで案件は流れていたんです。オプト代表取締役CEOの海老根さんからも投資したいというような話もありましたし。そうやって具体的になっていきました。
学習院大学経済学部を卒業後、大和証券に入社。株のブローカレッジビジネスは、自分達が頑張って売上を上げようと思うほど、お客様の手数料が多く発生し、損失をこうむる可能性が高くなることに直面する。自分が将来ビジネスをするのであれば必ずWin-Winのビジネス構造を作り上げたいと強く感じ、森川義明(現インタースペース取締役)とともに、インタースペースを設立。アフィリエイトの可能性を信じ、当時国内3番目となるアフィリエイト事業をスタートさせる。
堅実な経営・営業スタイル、win-winの精神が社内へと浸透。多くの広告主から厚い信頼を得て、昨年9月には東証マザーズに上場も果たした。社員と仕事をこよなく愛す36歳。
趣味:温泉
「福岡さんはとにかくよくしゃべる人だという第一印象でした(笑)。当時、僕はまだ業界の人と飲みに行くようなことをしていなくて、業界の人との交流もなかった時期なんです。でも、初めて会った時から福岡さんとはよくしゃべりましたね。我々の世代がどうあるべきか、もっと頑張らなきゃいけないんじゃないか、みたいな話を延々としました。とにかく熱い人だなという印象です」
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