藤本京子(CNET Japan編集部)
2004/06/07 10:00
老舗Yahooと比べれば一般的な知名度はまだ低いかもしれないが、インターネットのヘビーユーザーであれば「サーチエンジンといえばGoogle」という意見も少なくない。40億ページ以上のウェブサイトを瞬時に検索し、ページランクでサイトの評価も行うGoogle。米国ではニュース記事検索のためのGoogle NewsやショッピングサービスのFroogleなど、検索技術を応用したサービスも次々に登場している。他の無料ウェブメールサービスとはけた違いの1Gという容量を備えたGmailのベータ版をリリースしたことも記憶に新しい。Gmailは、大量のメールをフォルダで管理しなくとも、検索機能を使ってメールを整理できるというのが特長だ。
広告サービスでは、キーワードに対して入札し、クリック単価による課金方式を取るAdWords広告を提供している。シンプルなテキスト広告だが、広告のターゲットを絞り込むことのできる同サービスは注目を集め、現在Googleの重要な収益源となっている。また、そのAdWords広告を自らのサイト上に掲載したいとするコンテンツオーナーに対しては、AdSenseというサービスも提供している。
このように検索エンジンを中心にサービスの拡張を続けるGoogleだが、日本市場に向けたサービスをより充実させるべく、今年夏には日本に開発センターを開設するという。日本の開発センターでは一体何が行われるのか。Googleの日本市場に対する意気込みや同社の方向性について、Google技術担当バイスプレジデントのウェイン・ロージング氏に聞いた。
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--日本で開発センターを開設されるそうですね。いつ正式にスタートするのか、またどういった人材を求めているのか、教えていただけますか。
実際にスタートするのは、最初の従業員が入社する時点です。現在エンジニアとリサーチャーをリクルート中で、決まり次第まずカリフォルニア州のマウンテンビューにてGoogleのエンジニアリング手法を学びます。その後、夏の終わり頃から初秋にかけて、マウンテンビューにいるエンジニア数人と共に日本に戻り、本格的にスタートするという運びになるでしょう。
求めている人材は、コンピュータサイエンス分野の経験が豊富でアルゴリズムが得意な、博士号または修士号保持者、つまりしっかりしたアカデミックバックグラウンドを持っている人です。そして、コーディングが得意でソフトウェアの開発方法をよく理解している人、ハッカーとでも言いましょうか、とにかくマニアックなほどにコーディングがわかる人も必要だと感じています。そして、さまざまな才能を持ち合わせていてほしいですね。常に問題意識を持ち、チャレンジ精神があり、失敗してもそれを次のステップに生かせることが重要です。単に「こういったソフトウェアを作れ」と言われて作ることができるだけの人材は必要ありません。自分からどういったソフトを作ればいいのか、提案できなくてはいけないのです。創造性を持ち、自ら進んで仕事を進めていく、これがGoogleの方針ですから。
--この計画はいつ頃からはじまっていたのですか。
今年の2月下旬ですね。その頃私も市場調査のために来日し、やはり日本でも開発をすべきだと感じたのです。
--日本では実際にどういった開発を行うのでしょう。
まずは、日本語検索の質の向上です。Googleの提供する商品やサービスのなかにも、文化的な違いを理解できればさらに改善できるものが多くあります。例えば、日本の流通システムは米国とは全く異なるため、Froogleのようなショッピングサービスはシステムだけを日本に持ち込んでも使えません。流通システムなどを理解したうえでFroogleを展開すれば、日本でもこのサービスは伸びると考えています。また、日本でしかできないようなことや、日本のエンジニアだからこそできることなどもあると思うので、そういった新しいことにもチャレンジできればいいと思っています。
--ということは、日本から新しいサービスが生まれる可能性もあると?
その可能性は大いにありますし、それが最終的な目標でもあります。具体的にこういったサービスを出すという約束めいたことは言えませんが、日本発のFroogleを含め、さまざまな可能性があるでしょう。
Googleのエンジニアチームには、勤務時間の20%をサービス向上について考える時間にあてなければならないというポリシーがあります。その結果、新たなアイデアやサービスが生まれた実績もあります。Googleでは新しいアイデアに対して「ノー」と言うことは決してありません。常に「それはいい、やろう」という方針ですから。私は、全く予期しないイノベーションが東京開発センターから生まれてくると信じています。そうなれば成功といえるでしょう。
--ソーシャルネットワーキングサービスのOrkutが日本でも話題になっていますが、これも予期しないことだったのですか?
そうですね。Orkutは、Orkut Buyukkoktenというエンジニアが20%の時間を使って考え出したものです。彼はこのサービスに非常に熱心に取り組んでいたので、今ではこのサービスを担当することが彼の本業となっています。その結果サービスは順調に発展しており、われわれも満足しています。
実際のところ、最初このサービスで何をするのか全くわかりませんでした。しかし何十万人もの人がこのサービスに賛同し、ユーザーもどんどん増加しているので(5月27日現在のOrkut登録者数は35万人を超える)、時間をかけて何ができるか考えていこうと思っています。これはまだ実験段階ですから。もしかするとユーザーのほうが、このサービスで何ができるのかアイデアを持っているかもしれませんね。
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