かつて、テクノロジに詳しい人だけがコンテンツを作成し、インターネットに公開する方法を知っていた時代があったが、使いやすいブログ、CMSシステムの登場が時代を変えた。今日では、誰もが情報を発信できる。そして今、「Iceberg」がこれと同じ大衆化をプログラミングにもたらしたいと考えている。それが、誰もがプログラマーになる「Web 3.0」構想だ。
2008年、まだプライベートベータ版だったときに、Icebergを取り上げたことがある。当時、共同創設者のWayne Byrne氏は「ソフトウェア戦争」を宣言していたが、今なお戦いは続いている。Icebergでは、どんなユーザーでもシンプルなDIYツールを使ってウェブアプリケーションを作成できる。そして、誰もが作り方を学べるように、Icebergは無料で提供されている。無料版は最大5ユーザーまで対応しているが、6人以上の場合、1ユーザーにつき200ドルが課金される。ただし、非営利の教育機関については、引き続き無料で提供される。事実、イギリスには、コードではなく、Icebergを使ってプログラミングを学んでいる高校がある
。Icebergを学ぶのは比較的簡単だ。Byrne氏は、「20分でプログラマーになれる」と述べている。プログラミングの概念に触れたことがない人の場合もう少しかかると思うが、決して不可能ではない。Icebergのウェブサイトには、無料のサンプルアプリケーションおよびステップバイステップガイド、スクリーンショット、図、ビデオなど、丁寧にまとめられた膨大な量のドキュメントが、トレーニング用のセクションに用意されている。
Icebergを使って何を作成するかは、あなた次第である。中心は、CRM、PMツールのようなビジネスアプリケーションだが、ウェブサービスを提供するものなら何でも可能である。エンタープライズ環境では、サービスとして利用する代わりに、ダウンロードしたIcebergをオフライン環境で動作させ、ファイアウォールの内部で、例えば「Windows SQL」サーバのような社内サーバ上で利用することができる。
Icebergの導入に投資を行っている企業では、サービスの提供からさらに一歩前進して、ビジネスと連動し、アプリケーション作成、カスタマイズを支援するようになるだろう。これまで、Icebergをダウンロードした約2000の企業のうち、Zohoの「CRM」からIceberg移行し、自社に合わせてパーソナライズされたバージョンを使用している企業を含む数社がこの種の支援を行っている。
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