わたしは在宅勤務を多く経験している。本当の執筆の仕事が最初にきたのは16歳のときで、フリーライターとして自宅から4,800キロ(3,000マイル)の所に会社があるコンピュータ雑誌のための仕事をしたときだった。以来、数々のブログやウェブ関連の新興企業やコンピュータゲーム会社のために、オンラインのバーチャルオフィスという環境で仕事をしてきた。その間に、メンバーの居場所がばらばらであるチームにとっての成功の鍵はコミュニケーションにあることを実感した。失敗したベンチャーと成功したベンチャーの違いは、いかにうまくコミュニケーションの仕組みを構築したかという点にある。
わたしたちはみなBasecampが大好きだ。分散型チームにとってBasecampはとにかく優秀なアプリケーションだ(Read/Write Webもこれを使っている)。プロジェクトのあらゆる側面でのコミュニケーションや記録を行うのには非常に優れたツールだ。しかし、わたしが在宅勤務を始めたころにはBasecampは存在しなかった。だから、つぎはぎで自分自身のソリューションを構築しなければならず、主にオープンソースのソフトウェアを活用した。最近では、自分たちのバーチャルオフィスを立ち上げたいと考えているチームのための、さらに素晴らしいソフトウェアもある。以下に、自分たちのBasecampならぬ「Fakecamp」を新しく作る必要があるすべてのチームに役立つツールを、いくつか紹介しよう。
既に電子メールは時代遅れのコミュニケーションツールだと思われがちだ。携帯メールやインスタントメッセンジャー(IM)の時代には、電子メールはもたついて見える。しかし、今も電子メールはチーム間のコミュニケーションをとる素晴らしい方法である。注意を喚起し(迷惑メールフォルダーに入っていないメールを全部読まない人がいるだろうか?)、パーソナルで、融通が利いて、非同期である(それは、全員が同時にその場にいなくても機能することを意味する)。
非同期のコミュニケーションをそれまでとは別のレベルにもっていくのに、通常はフォーラムがすべてのグループウェアソリューションの中心的役割を果たす(例えばメッセージ、機能がBasecampでのコミュニケーションツールにあたる)。フォーラムを使えば、チームのメンバーがじっくり話し合ってアイデアをまとめたり、プロジェクトの計画をたてたりする作業を系統立てて行えるようになる。フォーラムの電子メールに対する大きな優位性は、書いたことすべてが検索可能な記録として残ることと、誤ってメンバーの一部を連絡先から削除してしまうことによる時間のロスを回避できることだ。良く作りこまれたオープンソースフォーラムシステムのひとつがSimple Machines Forumだ。カレンダー機能もあり、アドオンやプラグインの形で同フォーラムをサポートする相当数の開発者コミュニティがある。どのチームにとっても良い選択肢だ。
Simple Machines Forumが好きではない?ではphpBB、MyBB、PunBB、vBulletin、Invision Power Boardもお勧めだ。
10年ほど前、数年間にわたり、わたしはあるコンピュータゲーム会社の仕事をしていたが、その会社のチームメンバーは米国、ドイツ、スウェーデン、オーストラリアとあちこちに点在していた。わたしたちは自分たちのデザインや計画文書を順番に保存しておくのにWikiを大いに活用した。Wikiを使えば、ひとつのチームとして文書を書いたり編集したりするのが簡単になり、しかも誰かが間違って重要なことを上書きで消去してしまうのを心配しなくてもすむようになる。MediaWikiはWikiのソフトウェアとしては良い選択肢だが、実際は数百種類のWikiソフトが存在するので、自分または自分のチームに適したものを選ぶと良いだろう(実際わたしたちはWackoWikiを使った)。
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