高瀬徹朗
2007/10/15 15:51
10月11日に東京放送(TBS)で生中継されたプロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチの「問題動画」が、動画共有サイト「YouTube」などインターネット上で話題を集めている。
この試合はWBC世界フライ級王者の内藤大助選手を挑戦者である亀田大毅選手が投げ飛ばすなど、反則行為が散見され、ここ数日マスコミ各社が取り上げ続けている。しかし、問題のシーンはそれ以前にあった11ラウンド開始前のインターバル。
青コーナーに集まる亀田選手陣営の「打ち合わせ」をとらえたこの場面で、専属トレーナーなどから発せられた「金的を狙え」「目にひじを当てろ」などのアドバイスが、反則行為を選手に促しているように聞き取れるのだ。
亀田選手の反則行為に対する処分はもちろん、反則行為に関与した疑いが持たれているセコンド陣を含め、日本ボクシング協会(JBC)が言及するまでに発展した。
さて、この動画を含め、当日中継された映像の著作権がTBSに帰属することは言うまでもない。動画で確認できる音声が実際に悪質行為を指示したものであるとするならば、公共の報道機関たる放送事業者にとって「決定的スクープ」とも呼ぶべき証拠映像である。
そのためか、TBSはネットで公開されているこの動画の削除に全力を挙げているようだ。10月14日現在、YouTubeに1度アップロードされるも削除された本件を取り上げた複数の動画アドレスにアクセスすると、「この動画は著作権法上の権利が侵害されたとのTokyo Broadcasting System , Inc.による申し立てにより削除されました」とのメッセージが掲示される。
ところが、この映像はTBSが放送する関連番組になかなか出てこない。試合に関する報道はある。10月14日にTBSが放送した主要関連番組では、挑戦者の反則行為を看過しているわけではないし、また中継中に行った反則指示行為をも無視しているわけではない。しかし、この証拠映像については出てこなかった。
TBS広報によれば、「特定映像を意図的に放送しないという指示は常識的にありえない。まして、それがニュース性の高いものであれば、必ず放送される」としている。あるいは10月15日以降、挑戦者サイドへの処分が確定した段階から映像は公開されるのかもしれない。しかし、10月14日までの時点において、「ニュース性の高いものが必ず放送されている」との言葉はそのまま受け入れがたい。
複数の関連動画アドレスにアクセスすると、「この動画は著作権法上の権利が侵害されたとのTokyo Broadcasting System , Inc.による申し立てにより削除されました」とのメッセージが掲示される
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数多く存在していた当該試合の不正アップロードファイルの中で、意図的に12ラウンド前の映像のみが削除の対象になっていた事実は都合の悪いもののみ守ろうとする組織防衛本能に基づくものだったのではないだろうか。