ポータルサイトの展望と成功の鍵
西川:確かに、今はインターネットに接する時間、人数、接し方のヘヴィさが急増していますよね。その中で視聴というシェアをどれだけ多くとれるかという話になったときに、セオリー的には、ポータルサイト的なメディアを自社仕様にするのが絶対的に強いのではないでしょうか。みなさんはそこを意識した上で、自社トラフィックを作る気持ちが大きいのですか。
藤田:サイバーエージェントはそのつもりでいます。ポータルサイトは、そのサイトを玄関として各コンテンツにアクセスするというイメージですが、インターネットに慣れてくると検索結果や登録したブックマークからアクセスしたりしますので、ポータルの必要がなくなってくると思います。しかし、YahooやAmazonがIDとパスワードを登録してもらってモノを売っているように、ユーザーに慣れさせることで囲い込みはできると思います。
堀江:でも、化粧品と車の両方を買おうと思う人が、クレジットカードの番号やID・パスワードなどを別々のECサイトに登録するのは面倒なのでは? これはひとつの例えですが、GMOのヤプログ!とJUGEMは、IDとパスワードが別々ですよね。このケースはターゲット層がまるで違うからいいのでしょうが、同じグループ内に多種多様なサイトがあるでしょう。ユーザーインターフェースも皆違うし、ユーザーから見て面倒なのでは。
熊谷:GMOはポータルサイトを運営する予定もないですが・・・。堀江さんが言っているのは、Microsoftが採用しているような、シングルサインオンという考え方ですよね。色々なサイトをユーザーの認証が必要な段階になったときに、ワンクリックで実現できるなら、ユーザーにストレスを与えることはないのでは。しかしシングルサインオンしたまま動き回らなくてはならないというわけでなし、ユーザーに認証が必要な段階になったときにワンクリックで実現できればいいのでは。そうできる裏の仕組みについては考えていますよ。これは藤田さんも同じ考えではないですか。
西川:ライブドアはポータル直球勝負ですね。ライブドアはBlogを前面に出すことでYahooとの差別化を図っていますが、一部では「後追いでは、いつまで経ってもYahooへ近づけないのでは」という声もあります。その点について、どういった作戦を考えていらっしゃるのかをぜひ教えてください。トラフィックの誘導として、Blogの存在はどんどん大きくなってくるのではないですか。
堀江:そうですね。これからのECは、Blogを中心に伸びていくのでは。ライブドアでもアフィリエイトを始めて、僕のBlog(社長日記)でのレポートを見てみたら、最初3000くらいのアクセスだったのが5000になり、さらに増えて行ってるんです。かなり大きなレコメンデーションになっているということですよね。
また、ビデオリサーチインタラクティブに出してもらった数字によれば、ライブドアはポータルで5、6位に来ています。あとはひたすらコンテンツを追加して、プロモーションするだけです。まだYahoo並のコンテンツを出せてないし、そもそも今の段階ではまだ計画の5割くらいなんですよね。
もうひとつ、すごく大事だと思っているのは、サーバーのレスポンススピードです。僕の仮説ですが、Yahoo、Googleの成功はスピードによるところが大きいのでは。GoogleやYahooの検索が遅くてイライラしたこと、僕はありませんから。ポータルの命はスピードであって、それがあるかないかで最後は決まる気がします。
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