電話会社の乗り換えを検討していないユーザー(891人)に、その理由を尋ねたところ、回答率の多い上位10項目は次のようになりました。
●現時点で電話会社を変えない理由は何ですか(複数回答)
1 | メールアドレスが変わるから | 45.5% |
2 | 長期利用による割引・特典が受けられなくなるから | 39.4% |
3 | 移行手続きに手数料がかかるから | 35.7% |
4 | 家族利用による割引・特典が受けられなくなるから | 27.7% |
5 | 手持ちの電話機を使い続けたいから | 26.8% |
6 | 利用中の電話会社の料金に満足しているから | 25.4% |
7 | 年間契約(複数年契約)の期間中で、いま解約すると余計な手数料がかかるから | 24.9% |
8 | 利用中の電話会社の通話・通信の品質に満足しているから | 23.7% |
9 | 電話機の購入にお金がかかるから | 15.6% |
10 | 利用中の電話会社の通話・通信以外のサービスに満足しているから | 10.8% |
電話会社乗り換えの一番の足かせは、予想どおりメールアドレスが変わってしまうこと(45.5%)でした。意外なのは、若年層だけでなく40代、50代のユーザーも40%以上がこの理由に挙げたことです。もはや携帯電話メールは、世代を問わず通信手段としても欠かせないものになっているようです。
次に多かったのは「長期利用による割引・特典が受けられなくなるから」でした(39.4%)。どの携帯電話会社も利用年数に応じて基本料を割り引いており、年間契約と併用すれば40〜50%の割引率に達するケースもあります。電話会社を変えれば、それがリセットしてしまうとあって、乗り換えを踏みとどまらせているようです。
さて、多くの人が電話会社を変えない理由として挙げた「メールアドレスの変更」「移行手数料」という足かせがないとしたら、ユーザーは携帯電話会社を乗り換えるのでしょうか。PHS利用者を含めて本音を尋ねたところ、次のような結果となりました。
●もし電話番号だけでなく、メールアドレスも変えずにすみ、移行手数料(電話機の購入費用を除く)もかからないとしたら、どの電話会社を移行したいと思いますか。PHSにも移行できるとします(択一回答)
NTTドコモを使い続けたい | 60.0% |
他社に移行したい | 40.0% |
au(Tu-Ka)を使い続けたい | 73.6% |
他社に移行したい | 26.4% |
ソフトバンクモバイルを使い続けたい | 55.8% |
他社に移行したい | 44.1% |
ウィルコムを使い続けたい | 29.4% |
他社に移行したい | 70.6% |
冒頭でも紹介したように、移行を考えていないユーザーが半数以上を占めるとあって、ウィルコムを除けば現在の携帯電話会社を使い続ける人が各社半分以上になりました。
注目すべきはauの数字です。使い続けたいユーザーの比率が7割以上に上り、サービスに満足している様子が伺えます。ちなみにNTTドコモとソフトバンクモバイルのユーザーで他社に乗り換えたい人のうち、移行先にauを挙げた人は60.5%を占めました。
ソフトバンクモバイルは、他社に移行したい人が44.1%にも上ります。同社は、ボーダフォンの時代からメールアドレスの変更や、料金サービスの改定などでユーザーに負担を強いてきた過去があります。それだけに新しいスタートを切ったソフトバンクモバイルには、ユーザーの満足度を高める施策に期待したいところです。
一方で現在の低調な乗り換え意向を踏まえると、2つの足かせが取り除かれれば、移行するユーザーが36.9%に跳ね上がるととらえることもできます。携帯電話のメールアドレスは各社のサービス名をドメイン名に用いているため、持ち運びが難しいのが現状です、しかしそれが実現されない限り、ユーザーが求める真のポータビリティは実現しないといえそうです。
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