携帯電話の番号を変えずに電話会社を移行できる番号ポータビリティ(MNP)制度が、10月24日に始まりました。番号の縛りから解放され、ユーザーが自由に電話会社を選べる真の競争が始まるとあり、各社はユーザーの獲得に力を入れています。
そこで今回は、MNP開始から初めての週末を迎えた10月30日から31日にかけて、携帯電話会社の乗り換え意向について調べました。
MNPがスタートした10月24日からの1週間は、「予想外」に慌しい1週間となりました。震源はソフトバンクモバイルです。MNPの“開戦前夜”の10月23日、「予想外割」という料金プランを電撃発表。月額2880円で通話もメールも「0円」になるとあって、話題をさらいました。
ただ、その「0円」という数字には、小さな但し書きがたくさん付いているとあって、他社から反感を招き、公正取引委員会からも事情を聞かれる事態に至りました。さらにMNPシステムのパンクで一層慌ただしさが増すことになりました。28日、29日にかけてソフトバンクモバイルで転出・受入ができなくなり、今度は総務省から改善を求められました。
ソフトバンクの騒動もあってMNPが広く知れ渡りましたが、こうした動きを見てユーザーの意識は変わったのでしょうか。MNP制度を利用して、携帯電話の会社を乗り換えるかどうか訪ねたところ、次のような結果となりました。
●MNPを利用して携帯電話会社を移行する予定はありますか(択一回答)
1 | 移行を考えていない | 52.2% |
2 | しばらく様子みて考える | 41.6% |
3 | 近いうちに移行するつもり | 3.2% |
4 | 2006年中の移行を決めており、移行先も決めている | 1.4% |
5 | 仮予約サービスを申し込んだ上で移行した | 1.0% |
6 | 仮予約サービスを申し込んだが、まだ移行していない | 0.5% |
7 | 仮予約サービスを申し込まずに移行した | 0.1% |
MNP開始前に実施された各メディアや研究機関の調査では、MNPの利用意向を持つユーザーは全体の1割前後という結果が多く出ていました。MNP開始後も、その意識に変わりはないようです。
携帯電話の利用者は、回答者全体の91.9%に上りました。そのうち、半数以上(52.2%)は「移行を考えていない」という結果となりました。「しばらく様子を見て考える」(41.9%)と合わせると、携帯電話利用者の9割以上が電話会社の乗り換えには消極的です。
MNP開始から1週間の間に、実際に電話会社を乗り換えた人はわずか1.1%でした。移行を決めている人と合わせても、乗り換え意向を持つユーザーは2.5%に止まります。さらに乗り換えを考えている人のほとんどは、MNPの開始前に移行先の電話会社に加入手続きを済ませられる仮予約サービスに申し込んでいるところを見ると、前々からMNPの開始を待ち望んでいた人が多いようです。
乗り換え意向が低いのは、メールアドレスが変わってしまい、料金の面でもメリットが少ないと考えられます。そこで、当面移行するつもりがないユーザー(「移行を考えていない」「しばらく様子みて考える」「近いうちに移行するつもり」と回答した人)に、現時点で移行しない理由を尋ねました。
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