ヤフー、楽天、グーグル--就職or転職するならどのネットベンチャー?

文:CNET Japan ITランキング調査団
構成:Spoo! Inc.
2005年11月11日 21時00分

 新連載「CNET Japan ITなるほどランキング」のスタートです。そのときどきで世間を賑わせているインターネット界隈やIT業界のニュースに関連して毎回テーマを設定。インターネット調査サービスの「NetMileリサーチ」のご協力をいただいて、1000人の方に「○○について本当はどう思ってる?」という「ユーザの本音」を明らかにしていこうという企画です。楽しく気軽に読んでいただくために、結果はベストテン形式でご紹介していきます。

 第1回のテーマは、「あなたがインターネットベンチャーに就職or転職するなら、どこにしますか?」。

 なぜいまこのテーマなのか?についてはもはや説明不要でしょう。ご存知のように、昨年来ベンチャー企業の社長たちが仕掛ける様々なアクションは、常に世間に話題を提供し続けています。

 比較的新しい話題だけでも、村上世彰氏率いるM&Aコンサルティングのファンドが阪神電鉄の筆頭株主(約40%保有)になったかと思えば、楽天の三木谷浩史氏はTBSの株式を大量に買い進めて経営統合を迫っています(そろそろなにか動きがありそうですが、どこに落ち着くんでしょうか)。

 そんな中、少し影が薄くなった印象のライブドア堀江貴文氏でしたが、どうしてこんどは通販会社のセシールを買収(関連記事)、さらにドリンク剤「ホリエナジー」やオリジナルの「ホリエジーンズ」まで発表して、存在感をアピールしています。そうそう、自家用ジェット機も購入されたとか。

 そんなふうにこの国のビジネスシーンに新風を吹き込んでくれているインターネットベンチャー企業各社ですが、では、自分が就職/転職するとしたら、どの企業に魅力を感じるでしょうか。インターネットベンチャーと言っても、そのビジネス手法や社風、トップのキャラクターは各社各様。今回は、20代と30代の男女に絞ってリサーチしてみました。M&Aコンサルティングはインターネット企業ではありませんので、ここでは選択肢から除外。結果は次のようになりました。

●あなたがインターネットベンチャーに就職or転職するなら、どこにしますか?

1
ヤフー 211人
2
ソフトバンク 174人
3
グーグル 130人
4
楽天 124人
5
ライブドア 114人
6
アマゾンジャパン 109人
7
USEN 68人
8
サイバーエージェント 36人
9
GMOインターネット 12人
10
インデックス 2人

全国の20代・30代1001人に2005年10月28日から10月29日の間に調査。

 かなり「コンサバ」な結果、と言ったら失礼にあたるでしょうか。1位のヤフーは211人で21.1%、2位のソフトバンクは174人で17.4%。足すと40%近くの方がソフトバンクグループを選んでいることになります。「コンテンツ」としては三木谷氏や堀江氏の一挙手一投足に注目しつつも、就職/転職となると話は別。手堅いところに落ち着くようです。ポータルサイトで群を抜いてトップのヤフーと、通信・インターネットを中心に数多くの子会社を傘下に持つソフトバンクですから、当然と言えば当然です。「安定してそう」「大手だから」「メジャーだから」「一番有名だから」といったコメントが寄せられていました。

 そんな中にあって5位のライブドアを選らんでいる方の中には、「社長がホリエモンだから面白そう」というように、良い意味での好奇心から選んでいる方が多そうでした。でもそのように、いつもなにかが起こっていそうな期待感というのが、もしかすると同社の人事力になっていたりするかもしれません。

 また、3位につけたグーグルの健闘ぶりは特筆すべきでしょう。日本では一般的な知名度はヤフーと比較してしまうと高くありませんが、熱心なインターネットユーザからは絶大な支持を得ているということでしょう。最近では、Google Localのように「Ajax」を駆使したリッチなインターフェイスを持ち、APIを広く公開する、いわゆる「Web2.0」的なサービスでも高く評価されています。そういった革新的な姿勢も同社の上位ランクに貢献していそうです。

 追加でこんな質問もしてみました。「上司にしたいベンチャー社長は?」。

 1位につけたのは孫正義氏。またしてもソフトバンクです。「尊敬しているから」といったコメントが目立っていて、いまや「ベンチャー」という枠を超えた名経営者としてのポジションを確立した感があります。

 2位は堀江貴文氏、3位は三木谷浩史氏でこのへんはテレビなどでの知名度を素直に反映しています。4位はUSENの宇野康秀氏、5位はサイバーエージェント社長で奥菜恵さんの元夫としても知られる藤田 晋氏。村上世彰氏は6位でした。

 ところで、そんなあなたの会社に「ライブドアや楽天が買収を仕掛けてきたらどうしますか?」とも聞いてみました。選択肢は2つ。 「イヤだ」か「ウェルカム」かどちらかです。

 結果は半々。「イヤだ」が51.9%、「ウェルカム」が48.1%です。この結果、ちょっと「意外」ではありませんか? 皆さんわりと「ウェルカム」なのです。ライブドアや楽天が買ってくれることで自分の会社の可能性が広がるのなら「そっちの方がいい!」と言っているのです。このあたり、会社というものに対するわたしたちの考え方がずいぶん米国流になってきた印象があります。

 近年、この国でもM&Aの実例がいくつも見られました。その中で、「買収は屈辱」というようなわたしたちの先入観というか美意識のようなものががかなり薄れてきたのでしょうか。

 そして、こうした新しい「ビジネス生態系」を生み出していることは、インターネットベンチャーが日本の企業風土に対して果たしているひとつの功績と呼べなくもないのかもしれません。

 いつも目が離せないインターネットベンチャーですが、こんどはどんなアクションで驚かせてくれるんでしょうか。1年後に同じ質問で再リサーチしてみても面白いかもしれません。

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