機能だデザインだとマイナーメーカー同士が競い合って面白い、いや「トンデモナイ」ケータイの開発合戦に明け暮れている中国。そのおかげで最近じゃマトモなメーカーの製品の販売に大きな影響がでているという。価格の差もあるが、やっぱり見た目が楽しいトンデモケータイはついつい買いたくなってしまうもの。中国大手メーカーもさすがにキャラケーなどは作ることは無理で、インパクトという点では見た目勝負のトンデモケータイにはどうしても敵わないところだ。
だがケータイの外観もなんでも作ればいいてものじゃなく、強烈なデザインの製品を出したからといって売れるとは限らない。消費者の目を引き付けることができ、なおかつ他社と大きく差別化できる、そんなバランス感覚に優れた製品でなくては中国でも売れないのだ。
今回紹介するトンデモケータイも見た目に多少のインパクトがあるにはある。しかしケータイ単体だけでは勝負にならないと考えたのか、トンデモナイ製品として販売されているのだ。いやはや、こんなブツをケータイにしてしまうとは、中国は本当に恐ろしい国だ。なにはともあれまずはこのケータイのデザインがすごい。それはなんと、
秦の始皇帝!
なのだ!いくら中国とはいえ、歴史上の重要人物をケータイにしちゃっていいのだろうか?いや、それだけじゃない。始皇帝をケータイにしちゃうくらいならきっと誰でもできる(かもしれない)。この始皇帝の世界をパッケージ化した製品にしちゃっているのだからすごいのだ。おそらく中国ケータイ史上最も記憶に残るエポックメーキングな製品に違いない。今回も「ケータイの機能以外」の部分にぜひ注目してほしい!(笑)
筆者がこの始皇帝ケータイに出会ったのは中国某所のトンデモケータイショップ。ショーケースの中に並べられたケータイの中で、独特の形状をしたこのケータイが気になって「これなーに?」と店の親父に声をかけたのが運命との出会いだった。
筆者の質問に対し、店の親父は「フフッ、ちょっと待ってな」と言って店の奥から箱を持ってきたのだ。なんだか大きいパッケージだなぁー。って、パッケージの上を見るとショーケースに飾ってあるケータイと同じ形をしたケータイの写真が印刷されている。人物形状のケータイ?しかも左右には史跡から出てくる壁画や銅像の写真?こ、これは一体何なんだろう!
混乱する筆者に親父はパッケージを押し付けてきた。持ってみるとずしりと重量感がある。1kg、いや2kg弱はあるだろうか。ケータイのパッケージがこんなに重いなんて常識ではありえないはずだ。だがここはケータイショップ、この中にはケータイが入っているはずなのだ。
ここでパッケージをじっくりと見てみよう。サイズは高さ70mm×幅380mm×奥行き170mm、重量は1850g。どこにもメーカー名は記載されておらず、製品名も何も書かれていない。もちろんこのパッケージを見れば秦の始皇帝をイメージしたケータイであることは誰にでもわかるだろう。パッケージの表と裏は同じデザイン、側面後方には陝西省にある始皇帝のお墓「始皇帝陵」の発掘写真が掲載されているのが歴史気分を盛り上げてくれるようだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」