今でこそ中国ではあたりまえのトンデモケータイ、メーカー名不詳の製品までもが登場するようになったのは中国でケータイメーカーの認可制が廃止されてからだ。以前は中国でケータイを製造するには国の認可が必要であり、きちんとした「まともな」メーカーでなくてはケータイの生産が許可されていなかったのである。今では考えられない時代だったわけなのね。
では、規制のあった昔はまともなケータイしか中国にはなかったのだろうか?いやいや、やはりそこは中国。きちんと認可を受けた大手メーカーからもコソーリと怪しいケータイがいくつか出ていたのだ。その中でもおそらく「元祖トンデモケータイ」と呼べそうな製品が、今回紹介するHaierのPシリーズである。
中国のHaier(ハイアール)といえば家電の大手メーカー。TVや冷蔵庫で有名であり、世界中にも多数の製品を輸出している。日本でも三洋と組んで白モノ家電を出していたこともあり、中国ではれっきとした一流メーカーだ。
そのHaierが2003年に世の中に送り出したケータイが「世界初のペン型ケータイ」Pシリーズである。そういや日本でも故ジャイアント馬場さんが宣伝していたペンスタイルのケータイが大昔にあったが、Haierの製品は「真のペン型」を狙ったスリムスタイル。ちなみに当時のカタログを見るとケータイの画面に万年筆のペン先を表示するなど「ペン型」であることを大きな売りにしていることがよくわかる。
初代のペン型ケータイ、Haier P5のサイズは135×28×18mm。ペンと呼ぶにはやや太いが、握って持った姿はまさしくペン型だ。ボディカラーはシルバー、ブルー、レッドの3色が用意されていた。ディスプレイはモノクロ64×102ピクセル。ちなみにカタログ写真はディスプレイ表示がカラーになっているが、これはハメコミ合成(笑)。一見詐欺まがいだが、カタログのどこにも「カラー液晶」とは書いていないからこれでいいのだろう。こんなあたり、まさしく「トンデモ系」な匂いがプンプン漂ってくるではないか。
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