一時は、“新興市場の盟主候補”と呼ばれた携帯電話向け情報配信・コンテンツ開発を主力とするインデックス・ホールディングス。同社が17日に発表した2006年9月〜2007年5月期の連結決算は、営業利益が前年同期比73%減の12億7200万円と大幅減益となったことが嫌気され、発表翌日18日の同社の株価は一時、前日比4000円(ストップ)安の3万9600円まで売り込まれた。
ライブドア・ショック前に30万円を超えていた同社の株価は、最近では3万円台での推移と低迷を強いられている。果たして、同社の株価反転上昇のタイミングはいつ訪れるのか。
インデックス・ホールディングスの同期連結決算は、売上高1005億4400万円(前年同期比27%増)、営業利益12億7200万円(同73%減)、経常利益48億200万円(同9%増)、最終損益は58億8200万円の増収赤字決算だった。
営業利益が大幅に減少したのは、海外の携帯電話向け情報配信子会社の赤字が主因。これに加えて好採算のシステム開発案件が大幅に減少したことも利益水準を大きく引き下げることになった。
海外関連では、前年同期比で約17億円営業損益が悪化した。その内訳で大きいのは欧州が約6億円、中国子会社で3億5000万円、それぞれ営業赤字に転落した。とくに欧州では広告規制によるマイナス影響を受けた。
インデックス・マルチメディアではSMS事業を主体としているため、パソコン上である程度のインターネット広告を出稿している。しかし一見、ネット広告と見えないフック広告という広告の規制強化に見舞われ、広告の露出が思うようにできず、有料会員数の増加が大幅に制限される形になった。ただ、携帯電話サイトの受託運営事業と携帯関連のシステム開発事業は、計19億円の営業黒字。映像制作事業とゲームソフト事業も計14億の黒字だった。
同社では、主力の携帯関連事業に経営資源を集中することを収益回復のキーワードとしている。また、営業利益の大幅減益にも関わらず経常利益が前年同期比9%増の48億円となったのは、ヤフーが実施したTOB(株式公開買い付け)に応じて、保有していた夢の街創造委員会の大半を売却したことなどに伴い、営業外利益が47億円発生したためだ。
今期の2007年8月期の連結業績は、依然として事業構造の建て直し期にあり最終損益は赤字を強いられそう。今期はすでに期中に2回にわたって業績下方修正を実施しているものの、いまだに完全な底打ち感は出ていない。
同社の株価は、ライブドア・ショック直前の2005年1月に30万4000円を付けて以降、下落の一途をたどり、2007年5月18日には3万1700円まで下落を続けた。その後、一時反転上昇をみせ6月7日には5万7000円まで戻した。しかし、再び下落に転じ、現在も3万円台での低迷状態で、下値模索の推移となっている。
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