インデックス・ホールディングスの株価反転上昇に期待感

 成長鈍化懸念から株価面でも低迷が続いていた携帯電話向け情報配信のインデックス・ホールディングスについて、一部市場関係者から「復活の兆し」との見方が浮上している。3月13日に中期経営計画の「Index Plan 2010」を明らかにしたが、「急成長後の踊り場状況から抜け出す道を模索中」(市場関係者)の同社の業績動向と株価について探った。

 同社は3月13日、「この業界で世界トップレベルの会社になる! 世界で勝てる企業になる! 日本発の“楽しさ”“クール”を世界へ」をキャッチフレーズにした中期経営計画の「Index Plan 2010」を発表した。外国証券のアナリストからは「キャッチフレーズの文言が具体性に欠ける」との見方はあるものの、今後2010年8月期までの連結業績見通しについて具体的な数値目標を設定している。

 それによると、売上高は2008年8月期で1500〜1800億円、2009年8月期で1700〜1800億円、2010年8月期で2000〜2200億円。経常利益は2008年8月期で100〜120億円、2009年8月期で130〜160億円、2010年8月期で170〜210億円と年率2ケタの増収増益を目指している。(2006年8月期実績は売上高1116億円、経常利益66億5100万円)

 具体的には、ビジネスユニットを10分野程度に分けて管理していく方針で、2010年8月期には経常利益の部門別内訳ベースで「エンターテインメント」が60〜70億円、「モバイルソリューション」が40〜50億円、「モバイル」が30〜40億円、「海外子会社関連」が30〜40億円としている。

 まず取り組むのはグループ会社の再編。70社あった連結子会社を2007年8月期中に30%程度削減する方針を打ち出し、行過ぎた買収で肥大化した組織のスリム化を図る。一方で、アニメや映画などコンテンツ(情報の内容)分野では20%弱を出資しているタカラトミーとの共同でアニメの版権を管理する組織を新設するなど、コンテンツ開発を核とした効率的な経営基盤の構築を目指していく。

 さらに、同社はこの7月から、携帯電話会社から回線を借りて通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)に進出することも明らかにしている。

 同社が1月15日に発表した第1四半期(2006年9〜11月)の連結業績は、売上高310億円(前年同期比33%増)、営業利益7億4600万円(同57%減)、経常利益15億5600万円(同10%減)、最終損益10億400万円(前年同期は10億800万円の赤字)となった。営業利益が大幅減益となったのは、高機能携帯電話端末機向けに開発したコンテンツの開発費用が大きく膨らんだことや、欧州での配信子会社の宣伝広告費増加がマイナス要因となったようだ。2007年8月期通期の連結業績については、売上高1350〜1400億円、経常利益70〜90億円、純利益35〜60億円を見込んでいる。

 同社の株価は“ライブドア・ショック”直前の2006年1月16日に30万4000円の昨年来高値をつけて以降、IT関連の新興市場銘柄が軒並み大幅下落するという地合いの中で、ほぼ一貫して下落トレンドを強いられ、今年3月19日には5万3500円の昨年来安値まで売り込まれている。現在の5万円台の株価については「下値の限界に接近してきた」(市場関係者)との見方も出ており、4月中旬にも発表が予想される2月中間期決算をきっかけに、株価の反転上昇傾向に拍車が掛かるとの期待感が高まっている。

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