新年度入りまであと1カ月となって、乱高下波乱の続く株式相場でも「新年度の相場テーマ」を模索する動きが出始めている。こうした中で、ライブドアショック以降に敬遠されて「物色の対象外」との印象を持たれているIT・ネット関連銘柄の復活の突破口として「ワンセグ関連」が注目を集めそうだ。
この4月からスタートする「ワンセグ」とは、地上デジタル放送の6MHz帯域を13のセグメントに分け、そのうち1(ワン)セグメントを携帯電話やカーナビゲーションシステムなど移動体端末向けに放送するものだ。高い画質と音質の地上デジタル放送を、時と場所を選ばずに携帯端末で視聴できるようになり、放送、通信などの分野で新たな市場が創出されるものとして期待されている。
ワンセグスタート当初の放送内容は既存のデジタル放送と同様だが、2008年以降はワンセグ独自の番組編成が可能になる。これにより、ローカルなスポーツやアニメなど既存の放送局が取り込みきれなかった嗜好性の高い視聴層者が開拓できる可能性を秘めている。
当面、切り替え可能な画面を2分割して放送番組とデータ放送を視聴しているぶんは無料。データ放送画面に表示される放送番組関連情報の案内などに従ってユーザーが行動を起こす(インターネット接続)と、ニュースや天気予報、緊急情報などに加え、通信機能を活用したインタラクティブモードも利用でき、有料コンテンツの視聴や、放送局への番組参加(フィードバック)などもできる。
ワンセグ関連でビジネスチャンスの拡大が見込める銘柄について、準大手証券のアナリストは「関連銘柄を大きく分けると、1つはコンテンツを配信する放送局や広告会社、もう1つは対応の端末機器を製造・販売するメーカー、さらにそのメーカーに部品を供給する部品会社の3つに分けられる」としている。
関連銘柄としては、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京などの放送局のほか、電通や博報堂DYなどの広告代理店。さらに、携帯電話関連のNTTドコモ、インデックス、イー・アクセス、USEN、コネクトなど。
携帯端末の関連銘柄では、日立製作所、三洋電機、ソニー、シャープ、東芝、松下電器産業。電子部品や通信設備および工事関連としては、村田製作所、ミツミ電機、日本無線、ヨコオ、日本アンテナ、マスプロ電工、古河電工、フジクラ、日立電線、三菱電線工業、大明、日本電設工業、日本電話施設など。
この中で特に注目したいのは、ワンセグに対応し、移動中も携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」で鮮明なテレビ放送を受信できる「DS地上波デジタル放送受信カード(仮称)」の発売を予定している任天堂の動向だ。
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