韓国に「歌う道路」が登場した。それはソウル外郭循環高速道路の板橋方面103.2km地点にある。車を時速100km以上で走らせると、誰もが知っている「メリーさんのひつじ」のメロディが道路から聞えてくる。
歌のからくりは、道路のグルービング(水はけや滑り止めのため道路に一定間隔で入れる溝)にある。グルービング上を車が走るとタイヤの摩擦音がするものだが、その摩擦音の音量は溝の幅によって、音の高さは溝の間隔によって、それぞれ異なる。こうした原理を利用し、メリーさんのひつじのメロディが出るよう溝の間隔や幅、個数を調整したというわけだ。
これはEX韓国道路公社が居眠り運転をはじめとした、運転者の過失による交通事故を減らすために実施したもの。同公社によると、歌う道路が設置された区間は「特に事故が頻発する」のだという。
実際に歌う道路の走行映像を見てみると「ジー」という摩擦音に高低がつき、それが組み合わさってメリーさんのひつじのメロディになっている。時々やや調子外れになるのはご愛嬌。それより大切なのは居眠り防止の効果だが、耳慣れた曲が突然聞えてくるので、運転者もはっとして確かに眠気も覚めそうだ。
上記はグルービングを調整するという単純な原理ではあるが、このように韓国では今、道路の高機能化が活発に進められている。レーダーによる信号違反車両などの検地装置もその1つだ。
「レーダー方式車両検知装置」は60GHz帯のレーダーを使い、車から反射する信号を受信。車両の速度や車種、交通量といった交通情報を測定するというものだ。
同装置の設置を推進する技術標準院によると、現在利用されている、センサーとカメラとによる「ループ検知器」では、検知可能な範囲は往復4車線。検知の正確度も90〜95%程度だが昼夜により異なるうえ、地面を掘ってセンサーを埋め込む必要もある。一方レーダー検知器では往復8車線を検知可能で、昼夜関係なく98%もの検知精度を維持。高いところに吊るすだけなので、大掛かりな工事も不要だ。
既に、韓国で最初に開発された、実用化可能な製品にのみ与えられる「NEP(New Excellent Product)」認証も受けた。これと同時にEX警察庁などの義務購入対象にも指定されたので、今後急速な普及が予想される。
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