韓国では最近、平均年齢21歳の学生ベンチャーが、Web2.0サービスを開始したことがニュースとして取り上げられている。名門、延世大学の学生たちからなるWiZarD Worksは8月14日、パーソナライズドサービスの「WZD.COM(ウィザード.COM)」ベータ#1の提供をスタートした。
メンバーには、既に中学3年生で最年少起業経験のあるピョ・チョルミン代表を筆頭に、プログラムやウェブデザイン関連の大会受賞者などが集まった先鋭人員が出揃っている。
ところで「Web2.0」「パーソナライズドサービス」といっても、それが身近に感じらるほど利用は進んではいないのが現状だ。それでもMicrosoftの「Live.com」や、Googleの「パーソナライズド ホームページ」を見るまでもなく、業界は既にWeb2.0時代へとまい進している。
韓国ではSK Communicationsの「my NATE」や、INFOREXの「Yozmn(ヨジュムエン)」などのベンチャー企業が、Web2.0的なベータサービスを開始したところだ。ここに参戦した学生ベンチャー、WZD.COM。若い先鋭部隊が創り出す新鮮なサービスで、未成熟な市場に変化をもたらすことはできるだろうか。
WZD.COMのサービスは、RSSリーダーとウィジェット(時計や電卓帳のような単機能プログラム)を通じて提供されるのだが、検索ウィジェットの場合は「Naver」「Daum」、Googleなど7つの検索ポータルを1つのウィンドウで検索できるようにした。MSのLive.comが「MSN」の検索のみ、GoogleのパーソナライズドホームページがGoogle検索のみ提供しているの比べると差別化された点だと言える。
WiZarD Worksは、大型ポータルサイトが提供するパーソナライズドサービスの場合、ウィジェットとRSSフィードを通じて代表的で公式的な機能ばかりを提供するので、そこにユーザーの好みとは異なる点が見られ、サービスが閉鎖的になりがちと強調している。
一方WZD.COMは、複数の検索エンジンへの対応やオンラインストレージ機能、ウェブ上で文書作成できるメモ機能など、多様な機能を提供している。
WiZarD Worksのピョ・チョルミン社長は「一般的なポータルサイトの場合、編集権がもっぱらサービス提供側にのみあるが、パーソナライズドサービスを利用すればユーザーが編集権を持てるようになる」と述べ「規模の力で攻勢をかけるMSやGoogleより、ユーザーのフィードバックを受け入れサービスにいち早く反映させるサービスに、ユーザーはより耳を傾けるようになるはず」と語った。
個々のユーザーの好みに基づいた、徹底したユーザー志向であるというのが、WZD.COMのコンセプトだと言えよう。それはユーザー主体のWeb2.0の原点ともいえる。
ただし現実的には、ここで収益モデルが問題として浮上する。
WiZarD Worksのピョ・チョルミン社長は「Web2.0というトレンドの中で、利用者が求めていない広告やバナーをパーソナライズドサービスに入れるのは、Web2.0の本来の趣旨とは合わない。これについてまだ答は得られていない」「パーソナライズドに集中したサービスであるだけに、広告やバナーであっても最大限、開放性の趣旨を厳守していきたい」と述べた。
開放性は守りたいが、事業をするには広告は不可欠。しかもまだ知名度や影響力が低い学生ベンチャーのWiZarD Worksが、既に確固たる地位を築いている有名ポータルと対等に張り合っていくには克服すべき課題が多そうだ。「利益のとりこにならず、利益を得る」理想的な方法を、独特の想像力で開発していってほしいものだ。
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