格安航空券サイトにメスが入る--消費者保護取締りを強化へ

 欧州連合(EU)が消費者保護に向け、大掛かりな調査と対策に乗り出した。最初に標的となったのは、格安をうたったオンライン航空券販売サイトだ。

 昨年末に設立された消費者保護監視組織Consumer Protection Cooperation Network(CPC)の下、加盟国15カ国とノルウェイの合計16カ国で航空券を販売する447のウェブサイトを徹底調査した。これは、消費者保護法への遵守をチェックする「EU sweep」と呼ばれる施行活動の第1回目となる。その結果、ざっと半分の226サイトで違反が認められたという。国境を越えて違反していたサイトは63あった。

 違反の多くは料金情報の不明確さだ。広告やトップページで大々的に格安料金をうたっているが、実際に予約・購入となると航空税や手数料などの諸費用が必要となり、合計料金が大きく異なるという。また、広告で出している格安料金で実際に予約できるケースがほとんどないサイトもあったという。

 このほかに、旅行保険などのオプションサービスにデフォルトでクリックがついているという例も挙げている。

 EUは今回違反が認められたサイト名を公開していない。来年1月まで猶予を与え、その後も違反が改善されなかった場合はサイト名を公開したり、罰金を課すなどの制裁を加えるという。

 私自身もこちらのウェブサイトで航空券を購入した経験がある。そのとき、最初にチェックしたのは、やはり広告でよく見かける格安航空会社のサイトだった。だが、路線や日時を入力すると実際の料金は既存の航空会社とあまり変わらなかったので、結局はやめた。保険のオプションにデフォルトでクリックがついているというのも、容易に想像できる。旅行代理店のウェブサイトを利用したときは、オンラインで決済を済ませた後に実際に店舗に行ってパスポートを提示するようにとのメールがあり、オンラインの意味があまりないなあと思った。

 航空券ではないが、オンラインショッピングのサイトで分かりにくかった経験ならいくつでも挙げられる。つい先日も、大手小売店の通販部門のウェブサイトで悔しい思いをした。DMで「15%引き、送料無料」とあり、顧客固有のコードがある。オンラインでもこのコードを利用すれば特典が適用されるというのだが、ショッピングの最後にコードを入力しても、送料無料は適用されるが、合計金額が15%引きにはなっていない。最後のクレジットカード情報入力まで何度も戻っては入力し直したり、別のリンクをクリックしてみたりするが、価格はそのまま。30分ほどうろうろするうち、ひょっとして最後の決済時に15%引かれた価格になるのでは、と最後の期待を胸に、クレジットカード情報を入力、すると、見事にそのまんまの価格が引き落としとなり、納得がいかない思いをした。まるで、実際の店舗で直面する商習慣カルチャーショックと同じだ。ウェブサイトにも、やはり文化や考え方がでるようだ。だから、Amazonのようなサイトは安心感がある。旅先でマクドナルドならとりあえず安心と思ってしまうのと同じだろうか?

 フランスに限っていうと、返品・交換などの点は日本よりベターだと思うが、一般的なサービスでは“神様”は売る側。日本とは正反対というのが個人的な感想だ。

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