インターネット上の不正不法情報を発見し取り締まるサイバーポリスの存在が9月に入り、ニュースでよく取り上げられるようになった。
9月1日の北京での始動を皮切りに、9月18日には江蘇省の揚州市で、9月20日には河南省の18の都市で、9月24日には甘粛省の省都蘭州市で、サイバーポリスがインターネット上の治安維持を目的に始動したことがニュースとなった。また海南省の海口市では9月6日に一般人からサイバーポリスを募ることを発表した。サイバーポリス自体は沿岸部の上海市や深セン市、それに内陸の新疆ウイグル自治区のウルムチ市などで既に随分前から存在していたものの、9月に何かとニュースとなった原因は北京で本格的に始動したためであろう。
サイバーポリスが取り締まるべきサイトは、中国の国家機密を漏洩するコンテンツ、遺恨を助長させたり、中国人を蔑視するコンテンツ、それに犯罪的暴力的内容、賭博コンテンツ、他人を中傷するコンテンツ、ポルノコンテンツとしている。またコンテンツの取り締まりだけではなく、中国では茶飯事的に発生しているアカウント情報などの漏洩に関しても対処してくれるという。
既報の通り、北京でインターネットを利用すると、30分に1度アニメ化された警察官がポップアップで登場する。中国メディア「新京報」の記者によると、30分に1度、男女一対のサイバーポリスのイメージキャラクターがブラウザ出てきて「こんにちは、私たちは北京のサイバーポリスです。私たちの助けが必要であれば私たちをクリックしてください」といい、その後車に乗って消えていくアニメが表示される、と報じている。
既に数年間インターネットをサイバーポリスが見守っている深センでは、通報の手段は北京のそれと異なり、中国で最も普及しているインターネットでの通信手段で、中国産インスタントメッセンジャーのQQを使っている。サイバーポリスのIDにコンタクトをとることでリアルタイムで通報することができるわけだ。
北京でサイバーポリスを取材している新京報の記者の友人が、偶然にもそのとき自身の持つQQのアカウント情報を盗まれた。そこでまたサイバーポリスが画面に登場したときを見計らいそれをクリックしたところ、北京市公安局情報ネットワーク安全通報サイトにジャンプした。そこでサイト上の通報を入力する入力窓に状況を入力したところ、20分後にサイバーポリスの担当者に直接連絡し相談することができたという。
余談となるが既報では9月1日に始動した「北京の首都ネットワーク110バーチャル警察」とそのイメージについて書かれているが、他の地域も同様にこのイメージに似たサイバーポリスのイメージキャラクターを採用している。イメージキャラクターには名前がついており、その名前は地域によって異なる。たとえば浙江省杭州市や揚州市のサイバーポリスのイメージキャラクターは男性警官が「平平(ピンピン)」、女性警官が「安安(アンアン)」、またたとえば北京市や河南省や広東省深セン市のそれは男性警官が「警警(ジンジン)」、女性警官が「察察(チャチャ)」といった具合だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」