中国においてはインターネット利用者の利用目的のひとつとして、アマチュアが創作小説を書き、それをインターネット上で不特定多数に公開する「網絡小説(ネットワーク小説)」というものがある。網絡小説はポータルサイトで専用の小サイトを設けるほど、中国のインターネットでは欠かせない定番コンテンツとなっている。
網絡小説のジャンルは中国の伝統的な世界観の歴史小説、現代の恋愛小説、原作のオンラインゲームを舞台にしたファンタジー小説など様々だが、中には大人向けの、いわゆる官能小説もある(中国ではこれを「黄色小説」と呼ぶ)。
中国政府はアダルトコンテンツに関しては厳しい態度と対処を示してきた。2007年3月の百度の日本進出後、中国のインターネット利用者のアダルトコンテンツ見たさからか、百度日本への中国からのアクセス数が日本からのアクセスの倍以上を記録したが、その後「サイバー万里の長城」によって百度日本へのアクセスを封鎖したことはその代表的な例であろう。
黄色小説の存在も、中国政府は好ましく思っていなかった。だがオンラインのテキストを取り締まる法律がないため取り締まれず、そのため法の隙間を狙って大量の黄色小説が存在していた。
そうしたコンテンツを取り締まるべく、8月14日に黄色小説の対処に限定した緊急の通知が中国政府関連部署から発行され、348のサイトを一斉に抜き打ち検査を行い、問題となった40タイトルの黄色小説のリストを公開した。問題の黄色小説を掲載したサイトは最悪サイト閉鎖という行政処罰を受けるという。ちなみに中国政府は8月29日に公式にウェブ上でこの緊急通知を掲載した。
一斉検査が起きた後、この事件に興味を持った各中国メディアの記者が、百度などの中国産検索サイトで黄色小説に関するキーワードで検索をいくつか試みた。だが、コンテンツにありつけるようなサイトは検索結果に表示されなかった、と記事で報告している。
黄色小説の問題はPC向けのウェブサイトに限った話ではない。携帯電話向けのWAPサイトは、PC向けのウェブサイトかそれ以上に黄色小説があり問題となっている。また、あたかも本をめくる感覚で読める電子雑誌も中国で流行っており、こちらもまた官能的な画像が織り込まれていることで物議を醸している。この中には中国の女優でブログの女王でもある徐静蕾さんがプロデュースした電子雑誌も含まれる。
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