セガの中国の現地法人の1つで、オンラインゲームを担当する「世嘉(中国)網絡科技有限公司--Sega Networks(China) Co.,Ltd.--」が5月30日、解散を宣言した。セガ中国のトップページからは既に同社へのリンクがはずされている。同社は退職金としてスタッフ全員に3カ月分の給料を支払ったと中国メディアは報じている。
セガの中国法人のオンラインゲーム以外の事業、つまり上海におけるソフトウェア開発を行う「世嘉(中国)軟件有限公司--Sega(Shanghai)Software Co.,Ltd.--」や、上海の一等地にある室内型アミューズメントパーク「PLAYER’S ARENA」などは引き続き継続する。
オンラインゲームからの撤退の背景には何があったのか?その理由として、既存の複数タイトルについて利用者が採算が取れないほど少なかったことがある。たとえば同社の中国向けタイトル「彩虹騎士」は、2007年1月のベータテスト初日3日間で同時オンラインユーザーが1万人を越えていたため、サービス開始後には同時オンラインユーザーは2〜3万はいくだろうと予想されたが、実際ふたを開けてみれば3桁を越えることすらなかったという。
中国のポータルサイトの1つ「TOM」は、セガには現地化ができなかったという根本的な問題があったと、元同社社員へのインタビュー記事を通して指摘する。その記事によると、現地化ができなかったという理由の最たる理由が人材だ。同社の管理職の人材は日本や韓国から登用し、現地採用の中国人のアイデアは受け入れずひたすら上から指示された作業を行っていたと、ここには書かれている。加えてゲーム開発経験5年の中国人と比べて、大学を卒業したばかりで仕事経験のない韓国人のほうが給料が高いことが、仕事のモチベーションをより下げた。そもそもセガの中国でのオンラインゲーム事業自体がテスト的なものであったと、記事の中で元社員は内部事情を語っている。
現在運営されているいくつかのタイトルが遊べなくなったが、それ以上に中国でリリースされる予定だった期待のタイトルの「サクラ大戦オンライン」「三国志大戦」「聖闘士星矢オンライン」などがリリースされなくなることに、アーケードゲームや海賊版が氾濫したメガドライブからのセガファンは大いにこのニュースに悲しんだ。
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