2006年になって中国のメディアで、中国当局がときどき中国各地の街頭の海賊版ソフト販売に対し一斉摘発を行っている記事を頻繁に見かけるようになった。先週から今週にかけて、中国政府文化部はネットカフェとウェブサイトの著作権違反コンテンツにメスを入れるようだ。
10月29日、文化部文化市場発展センターネットカフェ昇進計画オフィス主任の李偉氏は中国メディアに対し「現在のところ、中国におけるネットカフェの一部は海賊版ソフトを利用者に提供しており、また一部のネットカフェは不健全な内容のコンテンツを提供し、社会問題を引き起こしている」とコメントし、ネットカフェの海賊版ソフトや違法コンテンツを取り締まることを示唆した。また李偉氏はムチの一方でアメも与えることも示唆。ネットカフェの提供するコンテンツについて、中国のコンテンツベンダー名をいくつか具体的に挙げ、それらベンダーの正規版コンテンツをネットカフェで提供するという、新しいネットカフェコンテンツ管理システムを政府主導で構築し、将来ネットカフェに提供することをコメントした。李偉氏のコメントはどちらかというと、ネットカフェにインストールされている海賊版ソフトよりも、ネットカフェで配信するコンテンツを取り締まりたいことが伺える。
また10月31日には国家版権局が、ネットワーク上の海賊版コンテンツを取り締まる通知をした。具体的には北京、上海、重慶、広東省、四川省など16の地区で登録されたウェブサイトのうち、海賊版の音楽コンテンツや映画コンテンツやソフトウェアなどを提供するサイトを重点的に取り締まる。この取締りは2006年の年末までに行われ、特に大きな違法行為が発覚した場合はメディアで紹介するとしている。重点地域の中でも特に北京と上海に重点を置いており、国家版権局の通知の文章の中にも「このような違法行為は、諸外国からみる中国の印象が悪くなる」と記載されており、中国がいやがうえでも国際舞台となる2008年の北京五輪や2010年の上海万博までにどうにかしたいことが伺える。
ある中国メディアはこの通知をニュースとして紹介し、現在ポータブルシリコンプレーヤー、特にMP4プレーヤーが中国で売れている背景に、ネット上で海賊版の映像コンテンツが多数配信されていることを紹介している。今後はそういった海賊版コンテンツが取り締まられることで、中国企業の作るiPod+iTunesのようなサービスが開始され、そのような配信形態が中国でも一般的になるのではないかと予測している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」