3大ポータルサイト「新浪网(Sina)」「捜狐(SOHU)」「网易(NetEase)」に続くポータルサイト「TOM」が、インターネットオークションのeBayの中国部門を数日以内に買収すると報じられている。TOMとeBay中国の関係は今回の噂に始まったことではなく、過去にはTOMはeBay中国のSkype業務を買収している。
「既に契約はサイン済みだ。eBayはもうやらない」。9月25日にeBay中国のある上級マネージャーは中国メディアの記者に撤退を示唆するコメントをしている。最近の統計調査では、CNNICより2006年5月に発表された「2006年中国CtoCネットショッピング調査報告」によると、ネットオークションサイトの利用調査では、2005年度においてオークションサイト「淘宝网(Taobao)」の取引総額が、eBay中国の取引総額の2倍以上を記録し、取引回数においても1人あたりの利用回数が淘宝网の4.25回に対し、eBay中国が3.08回と淘宝网が上回っていた。つまりeBay中国は中国では人気がさほどなかったのである。eBay中国は下降線をたどっていたため、今回の噂にようやっと撤退することができるのかという識者も多い。
人気の下降だけが身売りの理由ではない。中国人民銀行(日本でいうところの日本銀行)が制定した、オンラインマネーを扱う企業は中国企業と提携しなくてはならないという「支払い清算組織管理方法」によって、いやがうえにも中国企業のパートナーを探さなくてはならなくなったのも一因だ。
eBay中国が中国から撤退するという噂は今に始まったことではない。以前は中国最大のBtoBサイト「阿里巴巴(アリババ)」がYahoo!中国を買収しようとしていたとき、eBay中国も同時に阿里巴巴への身売りを阿里巴巴に打診していたという。このとき阿里巴巴はYahoo!中国を買収したため、eBay中国の身売りは失敗している。
買収するとはいわれているが、TOMによる買収方法は未だ不明だ。eBayは中国での展開で既に2.8億ドル(330億円弱)を投入している。そんなeBay中国を現金で完全に買収すれば完全にeBay中国はTOMの強い影響下で第2のスタートをきることになるが、そうでない場合、eBay中国はTOMグループの一員とはなるものの、TOMは強い口出しができなくなる。8月10日に発表したTOMの第2四半期決算報告によると、TOMは17億香港ドル(260億円弱)の現金を保有しているという。
いずれにしろ、現在中国のIT業界で話題をさらっているTOMによるeBay中国の買収劇の結果は近いうちに出ることになる。
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