「ラブライブ!」の合同ライブ「ユニット甲子園」で見た“新たな可能性や夢も広がるステージ”

 CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は3月9日と10日に、神奈川県のKアリーナ横浜にて行われた、「ラブライブ!」シリーズのライブイベント「LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024」の模様をお届けする。

「ラブライブ!」シリーズの合同ライブイベントで、初の試みとなるユニットにフィーチャーした「ユニット甲子園」が開催。多くのファンがKアリーナ横浜に詰めかけ、夢のようなステージに酔いしれていた
「ラブライブ!」シリーズの合同ライブイベントで、初の試みとなるユニットにフィーチャーした「ユニット甲子園」が開催。多くのファンがKアリーナ横浜に詰めかけ、夢のようなステージに酔いしれていた

 「ラブライブ!」は、女子高校生が学校で活動するアイドル“スクールアイドル”を通して、夢を叶えていく姿を描くプロジェクト。「みんなで叶える物語」をキーワードとして、オールメディアで展開している。そのなかには、メンバーの声を担当するキャストが、作中と同名のグループとしてステージに立つライブイベントも行っている。また、グループ内でのユニットも結成し、楽曲のリリースやユニットとしてのライブイベントなどの展開も行っている。

 今回は新たな試みとして、「ラブライブ!サンシャイン!!」「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」「ラブライブ!スーパースター!!」「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」の4作品から、それぞれのユニットが出演する合同ライブイベントとして行われたもの。作中におけるメイングループ内のユニットだけではなく、ライバルとして登場したユニットも出演し共演するという、夢のステージとなった。

「LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024」キービジュアル
「LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024」キービジュアル

 「ラブライブ!サンシャイン!!」の浦の星女学院からは、スクールアイドルグループの「Aqours」より「CYaRon!」「AZALEA」「Guilty Kiss」「わいわいわい」、函館聖泉女子高等学院からは「Saint Snow」、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」(ニジガク)の虹ヶ咲学園からは、「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」より「A・ZU・NA」「QU4RTZ」(※読み方は「クオーツ」)「DiverDiva」「R3BIRTH」(※読み方は「リバース」)、「ラブライブ!スーパースター!!」の結ヶ丘女子高等学校からは、「Liella!」より「CatChu!」「KALEIDOSCORE」「5yncri5e!」(※読み方は「シンクライズ」)、神津女子高等学校から「Sunny Passion」、「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」(蓮ノ空)の蓮ノ空女学院からは、「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」より「スリーズブーケ」「DOLLCHESTRA」「みらくらぱーく!」という、6校16組が集結した。

 タイトルに“甲子園”と付いていることもあり、ステージに野球のダイヤモンドが描かれているのをはじめ、上部スクリーンにはスコアボード、野球場の照明灯をイメージさせる照明も設置され、各校の校章も場内に掲出。ライブ中の演出も含めて、野球のシチュエーションを存分に盛り込んだものに。それだけにとどまらず、実況には元NHKアナウンサーで、大相撲をはじめとして長年数々のスポーツ放送を担当した藤井康生アナウンサーが、場内アナウンスは、高校野球のアナウンス経験を持つ樋田かおりアナウンサーがそれぞれ担当。ユニット入場時のBGM「『LIVE with a smile!』ブラスバンドVer.」も、大阪桐蔭高等学校吹奏楽部が演奏した収録音源を流すなど本格的なもの。解説は、ニジガクの高咲 侑役を担当している矢野妃菜喜さんが務めた。

 ライブの進行も野球に見立てて、イニングの表と裏で進めていく形式に。登場順は、事前に組み合わせ抽選会を実施。Day.1公演はその模様を公開した一方で、Day.2はクローズドであったため、そのときになってわかるドキドキ感が味わえるものに。また7回に関しては、両日とも完全シークレットとなっていた。

「LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024」出演者(敬称略)
「ラブライブ!サンシャイン!!」
●CYaRon!
伊波杏樹(高海千歌役)、斉藤朱夏(渡辺 曜役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)
●AZALEA
諏訪ななか(松浦果南役)、小宮有紗(黒澤ダイヤ役)
●Guilty Kiss
逢田梨香子(桜内梨子役)、小林愛香(津島善子役)、鈴木愛奈(小原鞠莉役)
●わいわいわい
斉藤朱夏(渡辺 曜役)、小林愛香(津島善子役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)
●Saint Snow
田野アサミ(鹿角聖良役)、佐藤日向(鹿角理亞役)

「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」
●A・ZU・NA
大西亜玖璃(上原歩夢役)、前田佳織里(桜坂しずく役)、林 鼓子(優木せつ菜役)
●QU4RTZ
相良茉優(中須かすみ役)(※Day.2 公演のみ)、指出毬亜(エマ・ヴェルデ役)、田中ちえ美(天王寺璃奈役)
●DiverDiva
久保田未夢(朝香果林役)、村上奈津実(宮下 愛役)
●R3BIRTH
小泉萌香(三船栞子役)(※Day.1 公演のみ)、内田 秀(ミア・テイラー役)、法元明菜(鐘 嵐珠役)

「ラブライブ!スーパースター!!」
●CatChu!
伊達さゆり(澁谷かのん役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、薮島朱音(米女メイ役)
●KALEIDOSCORE
Liyuu(唐 可可役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、結那(ウィーン・マルガレーテ役)
●5yncri5e!
岬 なこ(嵐 千砂都役)、鈴原希実(桜小路きな子役)、大熊和奏(若菜四季役)、絵森 彩(鬼塚夏美役)、坂倉 花(鬼塚冬毬役)
●Sunny Passion
結木ゆな(柊 摩央役)、吉武千颯(聖澤悠奈役)

「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」
●スリーズブーケ
楡井希実(日野下花帆役)、花宮初奈(乙宗 梢役)
●DOLLCHESTRA
野中ここな(村野さやか役)、佐々木琴子(夕霧綴理役)
●みらくらぱーく!
菅 叶和(大沢瑠璃乃役)、月音こな(藤島 慈役)

Day.1出演者
Day.1出演者
Day.2出演者
Day.2出演者

 開演時には、バルコニーに設けられた実況ブースから、藤井アナと矢野さんから挨拶やユニット甲子園の説明など前説が実施。トークのなかでは、このようなライブイベントの実況は初めてという藤井アナの話題をはじめ、その藤井アナから特に注目しているユニットについて矢野さんに質問したところ、ニジガクが生んだ名言“ヒトリダケナンテエラベナイヨー!”にちなんだ「ヒトツダケナンテエラベナイヨー!」の言葉も飛び出し、場内も盛り上がりをみせていた。

実況ブースの様子。写真左奥は実況の藤井康生アナウンサー、写真中央は解説の矢野妃菜喜さん(高咲 侑役)、写真右手前は場内アナウンスの樋田かおりアナウンサー
実況ブースの様子。写真左奥は実況の藤井康生アナウンサー、写真中央は解説の矢野妃菜喜さん(高咲 侑役)、写真右手前は場内アナウンスの樋田かおりアナウンサー

 樋田アナによるアナウンスで、学校名やユニット名が書かれたプラカートを手にスクールアイドルのキャスト陣が、アリーナからユニットごとに登場。場内のファンやカメラに向けてのアピールを行いつつ、メインステージに整列。さらに選手宣誓も実施。1回表の登場ユニットが担当することになっており、Day.1ではみらくらぱーく!の菅さんと月音さんが、高らかに宣誓。サイレンも鳴り響き、ライブの幕開けとなった。

 ここからは、7回を除いて各ユニットが2曲ずつをパフォーマンス。まず1回表は、前述のようにみらくらぱーく!が登場。高校野球の応援のような映像演出とコールを受け、2人がまず歌ったのは「ド!ド!ド!」。蓮ノ空屈指のハイテンション盛り上げソングで場内の熱気も一気に高まり、トップバッターとして“1回表のストーリー”を作っていく。続いての「アイデンティティ」では、メンバーが歌い踊った「Fes×LIVE」のライブビデオが流れるなかで躍動。切り込み隊長の役割を果たしていた。

「ド!ド!ド!」(DAY1)
「ド!ド!ド!」(DAY1)
「アイデンティティ」(DAY1)
「アイデンティティ」(DAY1)

 1回裏は、A・ZU・NA。まず披露したのは「Dream Land!Dream World!」。3Dモデルのメンバーが歌い踊る映像が流れるなかで、テーマパークや遊園地がイメージされる楽曲を軽快に歌い、“A・ZU・NAランド”の魅力をアピール。続いての「Blue!」では、スクリーンにサンゴや魚のフレーム、さらに多数のシャボン玉が飛ぶ演出も交えながら、海の中にいるような幻想的な空間を作り出していた。

「Dream Land!Dream World!」(DAY1)
「Dream Land!Dream World!」(DAY1)
「Blue!」(DAY1)
「Blue!」(DAY1)

 2回表は、わいわいわい。ウェブラジオ「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours浦の星女学院RADIO!!!」(浦ラジ)のパーソナリティ3人によって結成されたユニットとなっている。わいわいわいとしてのユニット衣装で登場し、1曲目に「ファボタージュ」を披露。SNSにまつわることをイメージさせる楽曲を、軽快なダンスパフォーマンスを交えつつ歌う。さらに「わーいわいわい わいわいわい!」では、この場で初公開となったインパクトのあるMVを背景に、変わりまくる曲調とコミカル歌詞を振り付けで、お祭り騒ぎと言えるようなステージを見せていた。

「ファボタージュ」(DAY1)
「ファボタージュ」(DAY1)
「わーいわいわい わいわいわい!」(DAY1)
「わーいわいわい わいわいわい!」(DAY1)

 2回裏は、Saint Snow。アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」では、Aqoursのライバルとして登場したユニット。ラブライブ!シリーズでのライブイベント出演は、2020年の10月と11月に行われたSaint Snowとしての単独ライブ以来、約3年半ぶり。そして1曲目に歌ったのは「Believe again」。久々の登場ということもあってか、イントロの段階から大歓声がわき上がるなかで、アニメMVを背景にロックソングを熱唱。田野さんが聖良として歌うときのまっすぐに響き渡る歌声と、佐藤さんが理亞として歌うときのパワフルな歌声は、会場を制圧するぐらいの圧巻さを誇るもの。続いての「SELF CONTROL!!」でも、一体となったコール&レスポンスを交えながら熱く歌う。パフォーマンスが終わってもざわつきがおさまらないというぐらいに、確かな存在感を示していた。

「Believe again」(DAY1)
「Believe again」(DAY1)
「SELF CONTROL!!」(DAY1)
「SELF CONTROL!!」(DAY1)

 3回表は、AZALEA。本来は国木田花丸役の高槻かなこさんも含めた3人ユニットではあるが、体調不良で出演が見送られ、両日とも諏訪さんと小宮さんによる2人でのパフォーマンスに。1曲目は「We‘ll get the next dream!!!」。黒を基調にメンバーのイメージカラーがあしらわれた衣装で、大人びた雰囲気漂うEDMサウンドにのせて、力強さとキレのあるダンスをもって披露する。続いての「メイズセカイ」でも、疾走感あふれるEDMサウンドにのせて、クールに歌って魅了するステージとなっていた。

「We‘ll get the next dream!!!」(DAY1)
「We‘ll get the next dream!!!」(DAY1)
「メイズセカイ」(DAY1)
「メイズセカイ」(DAY1)

 3回裏は、DOLLCHESTRA。まずは「AWOKE」で、リリックビデオを背景に赤と青のライトも目を引くなかで、クールかつ等身大の心情を描いた楽曲を歌う。続いての「Take It Over」でも、Fes×LIVEのライブビデオが流れるなかで、時折向かい合いながら2人は力強い歌声が響かせ、独特なDOLLCHESTRAの世界観を、表現力をもって構築するようなパフォーマンスを見せていた。

「AWOKE」(DAY1)
「AWOKE」(DAY1)
「Take It Over」(DAY1)
「Take It Over」(DAY1)

 実況ブースでは、野球球場をイメージするステージについてや、7回のシークレットは藤井アナも全く知らされていないといった話題などでトークを行いつつ、次のイニングへ。

 4回表は、スリーズブーケ。1曲目は「水彩世界」で、リリックビデオが流れるなかで、メンバーが着用している薄い黄色とオレンジを基調とする衣装をまとい、ポップな曲調で王道のスクールアイドルや華を感じさせるステージに。2曲目の「Mix shake!!」はいわゆるタオル曲で、爽快感あふれるポップソングを歌い、最後は2人もタオルを手に振り回して一体となって盛り上がっていた。

「水彩世界」(DAY1)
「水彩世界」(DAY1)

 4回裏は、Guilty Kiss。1曲目の「Strawberry Trapper」から、スタンドマイクを手にした3人が、ダークな雰囲気も漂わせるロックソングを熱唱。2曲目の「New Romantic Sailors」では、この曲では欠かせない“梨子ちゃんレーザービーム”なども炸裂するようなコミカルな一幕もありつつ、ユニットの持つかっこよさを出してのパフォーマンスを見せていた。

「Strawberry Trapper」(DAY1)
「Strawberry Trapper」(DAY1)
「New Romantic Sailors」(DAY1)
「New Romantic Sailors」(DAY1)

 5回表は、KALEIDOSCORE。「ベロア」では、切なさを誘うような曲調にのせたラブソングを、大人びた雰囲気を漂わせながら伸びやかに歌声を響かせる。「不可視なブルー」でも、落ち着いた空気感のなかで、ハーモニーもきかせながら柔らかく優雅に歌い、クールビューティ感のあるユニットの持ち味を発揮するようなステージに。

「ベロア」(DAY1)
「ベロア」(DAY1)
「不可視なブルー」(DAY1)
「不可視なブルー」(DAY1)

 5回裏は、CatChu!。まず「影遊び」で、スタンドマイクを前にムードあふれる歌唱で、CatChu!の空気を作り出しつつ、2曲目の「オルタネイト」では、冒頭のペイトンさんによる全力の煽りから、時折床に座り込むぐらいに、髪を振り乱したり思いを込めた表情で熱唱。ボーカルユニットとしての存在感を示していた。

「影遊び」(DAY1)
「影遊び」(DAY1)
「オルタネイト」(DAY1)
「オルタネイト」(DAY1)

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