LexxPlussは3月15日、シリーズAラウンドとして、第三者割当増資による約14億5000万円の資金調達を実施したと発表した。
引受先は、既存株主のインキュベイトファンド、三井住友海上キャピタル、Logistics Innovation Fund、SMBCベンチャーキャピタル、SOSV、みずほキャピタル。また、新規引受先として、DRONE FUND、SBIインベストメント、DBJキャピタル、三菱UFJキャピタル、未来創造キャピタルとなっている。過去調達額を合わせると、調達額は累計で18億円になる。
LexxPlussによると、製造業と物流業の両業界は、深刻な働き手不足に直面。2021年から2030年までの間に日本の生産年齢人口は575万人減少する見込みで、全就業者の20%以上を占める製造業と物流業では、今後10年で130万人以上の労働不足が予測されている。それに伴い、両産業の生産現場では、働きやすい環境、制度の整備に加え、抜本的な自動化設備への投資が急務となっているという。
特に物流業界では「物流2024年問題」による全国的なドライバー不足を見越して、物流業各社が輸送の効率化に向けた取り組みを推進。輸送の効率化のための大規模な物流拠点の増設、中継センターの集約といった動きも目立っており、物流センターでの搬送工程自動化のニーズが高まっているという。
また米国では、移民の減少やコロナ禍後の労働への意識の変容などにより、製造、物流従事者の減少が深刻な社会問題になっている。米国の自律走行搬送ロボット市場は、2021年に7億6200万ドルになるとされ、2028年までに32億ドル規模まで拡大すると予測されている。さらに、自動車からEVへの製造シフトにより、自動搬送ソリューションへのニーズが年々高まっているとしている。
LexxPlussは、自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」やロボット統合制御システム「Konnectt」をはじめ、次世代の産業インフラとなるロボティクスオートメーション製品を開発、販売している。
Hybrid-AMRは、自動運転と同様に自律的に障害物を検知、迂回できるAMR技術(AMR:Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)と、繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV技術(AGV:Automated Guided Vehicle、無人搬送車)を併用できる日本で唯一の自動搬送ロボット。また、ロボットの走行管理システムとなるKonnecttは、日本語を母語としない作業員でも利用可能な言語非依存性のインターフェースや、50台以上のロボットを一括管理する機能を持ち合わせている。既に物流企業大手の佐川急便に採用され、実運用されているという。
同社は、Hybrid-AMRやKonnecttの設計、製造、運用に関する技術情報を無償公開しながら産業パートナーとその自動化技術を共同利用するオープンパートナーシッププログラムを実施しており、既に30社以上の企業が参画。その中には、IHI、椿本チエイン、東芝インフラシステムズなどの物流、製造設備を支える企業も含まれている。
同社は2月、今回の資金調達を皮切りに、ニュージャージー州ニューアークで米国法人を設立。自動搬送ソリューションのニーズが高まる米国市場での製品展開を始めている。
また、現在30社のオープンパートナーシッププログラム加入企業もグローバルに拡大し、今後2年間で国内外100社の展開を目指す。加えて、拡大する市場を見据え、1カ所だった国内の製造、試験拠点を3カ所に増やす。2年間で自動搬送ロボットHybrid-AMRの生産規模も年間1500台まで拡大する予定だ。
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