デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は3月14日、スポーツビジネスコミュニティを発足したと発表した。
DTCと各選手やチームといった1対1の関係性ではなく、競技や種目の垣根を越えたn対nの関係性の構築を目指す。
スポーツビジネスコミュニティでは、日本のスポーツビジネスの発展に加え、スポーツを基点としたデジタルテクノロジーの活用、地方創生、ビジネスにおける日本の国際競争力の強化など、さまざまな社会課題の解決を図る。
発足時点の具体的な取り組み対象テーマは、(1)スポーツビジネスの人材育成、(2)次世代アスリート育成、(3)障がい者支援、Well-being推進の3つ。取り組み対象テーマは、参加メンバーでの知見共有やディスカッションを通じて、随時追加を検討するという。
発足時点では、DTCのソーシャルインパクトパートナーとなるJ3リーグ所属クラブの「FC今治」や、FC今治の経営などを事業とする今治.夢スポーツ 代表取締役会長の岡田武史氏、DTCのテクニカルパートナーとなるレーシングドライバーの佐藤琢磨選手、レーシングチーム「Astemo REAL RACING」、プロBMX(Bicycle Motocross)チーム「GANTRIGGER」などが名を連ねる。
また、ビジネスパートナーである日本プロサッカーリーグやBlue United、Little Sunflowerに加え、フェンシングの徳南堅太選手、元プロ野球選手の久古健太郎氏といったDTCに所属する社員もインターナルプロモーターとして参加する。
DTCは従来からスポーツという分野において、コンサルティング活動や、スポンサー・アライアンス契約を結ぶスポーツ団体とのロゴ掲出を超えた価値の創出、現役・元アスリートであるDTC社員との共同活動などに取り組んできた。
2022年には、スポーツの魅力をより高める「Empowering Sports」、競技を超えて可能性を広げていく「Connect Sports」、スポーツの枠を超えて新たな価値を作る「Beyond Sports」の3つを掲げる「Sports Business Group」を設立。スポーツ界全体の発展に取り組んでいる。
Sports Business Groupのリーダーで、DTC 執行役員の宮下剛氏は「こうした活動はもちろん私たちだけでできるものではなく、より多くの皆様と検討、推進していく必要がある。パートナーの皆様と個別の競技ごとに活動してきたが、皆様と一緒に検討、推進するコミュニティとして輪を広げていきたい」と、今回のコミュニティ発足は従来の活動の延長線上にあると説明。パートナーはもちろん、それ以外の人々を含めたさまざまな活動を目指すという。
DTC 代表執行役社長の佐瀬真人氏は、「グローバルの経営環境が不透明になっていくなかで、今後の企業には今まで経営資源としてきた『ヒト、モノ、カネ、情報』以外の、新しい第5の経営資源の必要性を感じている。私たちはその第5の経営資源を『コミュニティ』と捉え、その1つの分野であるスポーツに注力してきた」と、コミュニティの重要性を補足する。
人材育成、データ利活用、地方創生などのさまざまなテーマをスポーツと掛け合わせ、スポーツを起点とした社会変革を目指し、日本にインパクトを与えていくと語った。
スポーツビジネスコミュニティを含むDTCの全てのサービスを統括するという、DTC 執行役員 経営会議メンバーの信國泰氏は、「単に1つの競技やアスリートを支援するだけでなく、競技の枠を超えてさまざまな横のつながりを活用し、新しい価値を世の中に生み出していきたい。教育や医療、農業や水産業といったスポーツ以外のさまざまなテーマ領域でのコミュニティ形成も同時に進めていく。それぞれのテーマは、その世界だけで完結しない。テーマの垣根を越えてこそ生み出せる新しい価値、解決できる問題などにも挑戦し、ワクワクする日本の未来を目指したい」とした。
また、FC今治の経営などを事業とする今治.夢スポーツ 代表取締役会長の岡田武史氏は、「分断や格差といったさまざまな社会課題を救うためには、『共助』のコミュニティが必要と感じている。出入り自由で国境や県、人種といった限定がない小さなコミュニティ、つまりスポーツや文化が中心となるコミュニティを多く作り、それらがつながることで世界が救えるはず」と、成し遂げたい社会像を語った。
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