ユーザーが何をしているかによって画面のサイズが変わるスマートフォンやタブレットを想像してみてほしい。これは、Motorolaやサムスンが思い描く未来だ。両社は、ボタンを押すだけでディスプレイを伸縮したりできるコンセプトデバイスを披露した。
Motorolaは先ごろ、「Mobile World Congress(MWC)」でそのコンセプトを披露し、サムスンは1月の「CES 2023」で本体が変形するデバイスのプロトタイプを多数展示している。このようなコンセプトは、スマートフォンメーカーが現在の静的なタッチスクリーンに満足することなく、パーソナルデバイスの次の進化について考えていることの証左だ。各社は、市場での登場からまだ3年強しか経っていない折りたたみ式スマートフォンの先も見据えている。
確かに、これらのコンセプトは人目を引くが、ユーザーが実際に買って持ち歩けるようになるまでには、長い時間がかかる可能性が高い。価格の高さ、エンジニアリングと耐久性に関するさまざまな課題、有用なユースケースの欠如などが原因で、これらのコンセプトがすぐに製品化されることはないだろう。仮に製品化されたとしても、すぐには購入しない方がいい正当な根拠もある。
拡張可能な画面を備えたデバイスのコンセプトは過去にもあったが、先日のMWCで再び注目を集めた。それはMotorolaと親会社のレノボのおかげだ。
Motorolaは、ボタンを2回押すと本体が伸びる、手のひらサイズのスマートフォンのプロトタイプを披露した。MWCの会場で実際にこのデバイスに触れた同僚のAndrew Lanxon記者によると、さらに良いことに、この画面は、YouTubeなどの特定のアプリを使用するときに、自動的に伸びるという。また、ユーザーがアプリ内で何をしているかに応じて、スマートフォンが小型モードと大型モードの間で切り替わる。例えば、受信トレイをスクロールしているときは小型モードのままで、電子メールを書き始めると、自動的に伸長する、とLanxon記者は記している。
デバイスがコンパクトな状態のとき、ディスプレイは本体の下部から背面にかけて巻き取られており、背面の部分を2つ目の画面として使うことができる。Lanxon記者が会場でこのコンセプトを試用したとき、背面カメラでの自撮り時のビューファインダーとしてこの画面を使用したが、それ以外の用途はあまり多くないように思える。とはいえ、Motorolaがこの技術をどのように利用しようと考えているのか、興味がある。
Display Supply Chain Consultantsの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のRoss Young氏によると、巻き取り式画面を備えたスマートフォンはまだ初期段階にあるが、現在の折りたたみ式スマートフォンと比べて、いくつかの顕著な利点を提供できる可能性があるという。折り目が、本体の中央ではなく端にくるため、小さくできるかもしれない、とYoung氏は電子メールで述べている。さらに、巻き取り式スマートフォンは、「Galaxy Z Fold4」のような現行のスマートフォンよりも薄くなる可能性が高い。Galaxy Z Fold4などは、折りたたむと、2台のスマートフォンを重ねたような形状になるからだ。
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