LIGHTzは3月6日、ポッカサッポロフード&ビバレッジと共同で、豆乳ヨーグルト製造における熟練者の知見やノウハウのAI化、現場学習ソリューション構築の取り組みを開始したと発表した。
LIGHTzは、スペシャリスト思考のAI化と実務適用支援や次世代情報メディア開発、ロボットの社会適用モデル開発などを行う企業。主に製造業をメインとした技術伝承DXのサポートを行っており、今回のプロジェクトでは、食品製造業で初めての取り組みになるという。
ポッカサッポロフード&ビバレッジの豆乳ヨーグルトは、豆乳ヨーグルトのためだけに搾った「豆乳」から作られている。独自製法により大豆から豆乳を搾汁し、充填、発酵、パッケージングに至るまで、自社工場で一貫製造されている。
これまで取り組んできた金属素材や加工機械を扱う工場とは異なり、豆乳ヨーグルト製造の食品工場では、工場内での手作業はほとんど行われず、生産設備における製造工程での技術伝承になったという。
なお、豆乳を製造する工程が対象。原料である大豆のコンディションは日々変化しており、製造時の温度管理、時間設定など細部にわたる確認が重要になるという。しかし、その豆乳製造に必要な各工程の知見やノウハウが熟達者に属人化しており、会社全体の資産として共有されていないという課題があった。
そこで、安定した製造を行うため、熟達者が各工程をどのような視点でみているのか、どのような判断をしているのかというノウハウの「汎知化」を実施。現場学習に繋がるソリューションを構築した。
具体的には、熟達者の持つ豆乳製造の知見やノウハウを専門スタッフがヒアリングし、言語化。さらにそのデータを分析し、言葉の繋がりとして体系化することにより、「ブレインモデル」と呼ばれる知見データをはじめ、原理原則を分かりやすくビジュアルで説明した解説書などを作成した。
熟達者知見から作成した「ブレインモデル」や手順書・解説書などの重要ドキュメントについては、作業工程・検討工程を見える化するソリューション「IndstPark」を利用することで、作業工程と共に一目で確認できるようになっている。
同社によると、作成した学習ソリューションを活用して自学自習することで、製造現場で従事している社員は、豆乳の製造工程の背景にある原理原則、工程の運用方法までを従来よりも短い期間で把握できるという。
同システムにより、経験の少ない社員でもひとつの作業工程だけでなく、製造工程全体を理解することが可能となり、工場全体の生産能力アップも図れるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス