今後数カ月から数年の間、経済に再びテクノロジー主導の起業家精神とイノベーションの波が押し寄せることになるのだろうか。解雇やその恐怖に襲われた多くのIT人材は、通常の正社員の職を選ぶのではなく、より起業家精神にあふれた選択肢を模索している。もちろん、その多くはギグワーカーやフリーランスなどの「ソロプレナー」という可能性はあるが、新たな会社の設立が増加しているのは注目に値する。
中小企業向けの金融を手掛けるClarify Capitalがパンデミック期に解雇されたIT人材1000人を対象に実施した先ごろの調査によると、63%が解雇後に会社を設立したと回答している。こうした新事業の大多数にあたる83%はIT業界に関連するものだった。
興味深いのは、その91%が解雇された会社と競合していると答えたことだ。
起業件数は急増しており、IT系新興企業インキュベーターY Combinatorの調査によると、登記申請件数は2022年に前年比で20%増加し、2023年1月には前年同期比で5倍になったという。Yahoo FinanceのAran Richardson氏が伝えた。
言うまでもなく、起業には(あるいは新興企業に参画するだけでも)リスクや想定外の事態が伴う。一方で、確かに新興企業の中にも規模を縮小しているところはあるが、全体として見れば、起業を選ぶIT人材は、収入が増えて職が安定する傾向にある。Clarifyの調査によると、年収は平均1万3000ドル(約180万円)増加しており、58%は新たな職によって安心感が増したと回答している。
なお、必ずしも解雇の翌日や翌週に行動を起こしたわけではなく、3分の1近くは半年以内、40%は半年~1年以内に起業している。また、会社設立にあたっては平均2万ドル(約270万円)の自己資金を投じている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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