2月2日、デジタル人材育成と採用の一体型新サービス「ONGAESHI(オンガエシ)」のプロジェクトが発足。Institution for a Global Society(IGS)がプロジェクトの運営主体として、コクヨ、三井住友信託銀行(SMTB)、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンター(慶應FinTEK センター)、東京理科大学インベストメント・マネジメント(TUSIM)が参画。同サービスは9月からの提供開始を予定している。
ONGAESHIは「連帯貢献システム」を取り入れた、デジタル人材育成と採用の一体型サービス。連帯貢献システムは、国際的なサッカークラブ移籍制度「連帯貢献金」から発想を得たもので、採用費用の一部をデジタル人材育成に関わった全員に還元する。また、受講権をNFT化(ポジションNFT)することで、一般的に資金供給が十分でない教育領域への資金を呼び込むことを狙いとしている。
この連帯貢献システムを通じて、デジタル人材を目指す若手(タレント)は、無償で学びデジタルスキルを身につけることが可能。企業への採用が成立すると、教育提供者(講師)は教育成果として報酬を得ることができ、教育のスポンサーも、自らの支援で人材を育成し、報酬を得ることが可能。さらに、前職の企業がスポンサーとなっていた場合、報酬を得ることができるため、従業員への投資と人材流出のジレンマが解消されるという。これによって、不足しているデジタル人材の課題解消とともに、企業もデジタル人材を採用できるようになるという。
ONGAESHIは、NFTなどのブロックチェーン技術を活用することで、一連のシステムを構築する。NFTが持つ「独自性」「保有者の証明」「売買可能」に着目し、デジタル人材育成の連帯貢献システムとポジションNFTを組み合わせることで、スポンサーが報酬を得やすい仕組みを整えることで教育への資金が呼び込みやすくなり、学習無償化を実現する。
採用においては、オークション理論を導入。能力のスコア化と希望年収の分布で市場価値の見える化を行い、過去の年収ではなく能力にもとづいた、最適年収で企業と人材をマッチングする。
また、個人情報の安全な利活用に向けた取り組みとして、ONGAESHIの前身である慶應FinTEKセンター主催の産官学連携の実証研究「STAR」で構築したブロックチェーンシステムを活用。学習歴や関連情報を暗号化し、ブロックチェーンと分散型ストレージに分割してデータを移行する。これにより、プラットフォーマーでさえ本人の許可なく個人情報を見ることはできないという。また、個人情報の開示対象者・内容・期間を、本人がコントロールすることが可能としている。
プロジェクトの発足にあわせて、デジタル人材を目指す20~30代の社会人や学生の事前登録、デジタル人材を採用したい企業、及びデジタル関連スキルが身につく講座を提供したい講師の募集を開始している。
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