ステーブルコインであるTerraUSD(UST)と米ドルとのペグ(連動)が5月に崩壊した時、仮想通貨LUNAは480億ドル(約6兆9000億円)相当の価値を失った。それから4カ月が経過した現地時間9月14日、韓国当局がTerraform Labsの共同創設者であるドゥ・クウォン氏の逮捕状を発行したと朝鮮日報が報じた。
クウォン氏が創設したTerraform Labsは、ブロックチェーンのTerra、ステーブルコインのUST、仮想通貨のLUNAを運営していた。
Terraform Labsはシンガポールを拠点としているが、クウォン氏は韓国生まれで、現在も韓国国籍を保有している。また、クウォン氏以外にもTerraformの複数の従業員らに逮捕状が発行されていると、朝鮮日報は報じている。クウォン氏は、資本市場法に違反したとして指名手配されており、検察官らは、USTとLUNAは「投資契約証券」として分類されるべきだったと主張していると報じられている。それは、複数の主要な仮想通貨を証券とみなそうとする米証券取引委員会(SEC)の動きによく似ている。
Terraformは、USTとLUNAの2つの仮想通貨を発行していることで知られている。米ドルにひも付けられたすべてのステーブルコインと同様に、USTは常に1ドルに連動するように設計されていた。Terraformは、USTでの預金を促し、19.5%の利率を提供していた。これは、1万ドル(約143万円)分をUSTで預金すれば、年間19.5%の利息がつくことを意味していた。しかし5月、20億ドル(約2900億円)相当の資金がアンカープロトコルから引き上げられたときに、USTとドルのペグが崩壊した。これが明るみに出ると、USTはもはやペグを維持できず、USTとLUNAの両方が崩壊した。
CoinMaketCapのデータによると、LUNAとUSTの崩壊前の合計時価総額は500億ドル(約7兆2000億円)弱だった。LUNAに2億ドル(約290億円)以上を投資していた仮想通貨投資企業のThree Arrows Capitalは破産を申請した。仮想通貨取引プラットフォームのVoyager Digitalも、顧客に払い戻しを行うことができず、破産を申請した。
Terraの共同創設者であるDaniel Shin氏の自宅が韓国当局による家宅捜査を受けた7月、Bloombergは、クウォン氏が仮想通貨で得た利益を国外の口座に移し、脱税したかどうかを検察官らが調査していると報じていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」