CureAppは9月1日、高血圧症向け治療用アプリ「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」(CureApp HT)が保険適用(C2:新機能・新技術)を開始したと発表した。
なお、同アプリは、治験での有効性・安全性の確認を経て、4月に薬事承認されている。また、高血圧領域でのDTx(Digital Therapeutics:デジタル治療)の保険適用は世界初の事例になるという。
今後、医療機関における保険診療の中で、「CureApp HT×血圧測定×医師の専門的な指導」による三位一体の6カ月指導プログラムが処方・提供される予定だ。
高血圧治療ガイドライン2019では、「生活習慣の修正は、それ自身による降圧効果が期待されるだけでなく、高血圧予防の観点からも重要」であり、「また、降圧薬服用患者においても降圧作用の増強や投与量の減量につながることが期待できるため、生活習慣の修正は、全ての高血圧患者に対して指導すべきである。」と記されており、生活習慣の修正は高血圧症のすべての患者がまず取り組むべきものとされている。
しかし、自分自身で生活習慣の修正を継続することは難しいと感じている人が多く、診療時間内に受けることのできる指導にも限りがあるため、取り組めていないことが現状課題となっている。
また、生活習慣を定着化するためには一定の期間の指導介入が必要であるともいわれている。
そこで、6カ月指導プログラムにより医師と患者をつなぎ、今まで継続が難しいとされていた生活習慣の修正と定着化を促す。
CureApp HTを活用した同プログラムの保険算定価格は、患者負担3割の場合で 月額2490円(初回のみ2910円)になるという(実臨床においては、保険算定価格以外にも、初診・再診料などの他の診察費用が発生する)。
同社は、「アプリが病気を治療する効果を持つ」という新しい医療サービスを日本で初めて実現するために、病気を治療するアプリであるDTxの開発に取り組んでいる。2020年8月には、疾患向け治療用アプリとして、国内初となるニコチン依存症治療アプリの薬事承認を取得し、同年12月に保険適用を開始した。
この他にも、サワイグループホールディングスと共同開発中の「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」、国立病院機構久里浜医療センターとの共同研究となる「アルコール依存症」、第一三共と共同開発中の「がん」(乳がん患者向け治療アプリ)、ゆみのをパートナーに開発中の「慢性心不全」といったジャンルで事業を取り組んでいる。
加えて、これら医療機関向けDTxの開発で蓄積した知見を活用し、民間法人向けモバイルヘルスプログラムの「ascure卒煙プログラム」、「特定保健指導対応型ascure卒煙プログラム」を提供。既に、230を超える多くの企業・健康保険組合などが導入しているという。
さらに、日本で生み出したモデルをベースに「日本発のデジタルヘルスソリューション」として、グローバルにも展開していく方針だ。
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