パナソニックは8月24日、次亜塩素酸空間除菌脱臭機「ジアイーノ」に3機種の新製品を発表した。サブスクやリースなどの販売施策を強化するとともに次亜塩素酸の効果や安全性を検証する「IAQ検証センター」を活用した研究開発を加速し、ジアイーノの事業をさらに拡大する。
発表されたのは、家庭用の「ジアイーノ F-MV5400」(想定税込価格:17万8200円前後)と業務用の「ジアイーノ F-JDU75/F-JDU55」(税別価格:44万8000円/35万7000円)の3機種。いずれも10月上旬に発売する。
ジアイーノ F-MV540は、21畳(35平方メートル)までの広さに対応した家庭用モデル。除菌、脱臭に加え、加湿、集じんもでき、1台4役をこなす。本体には、次亜塩素酸の濃度を一時的に高めることで、集中的に除菌、脱臭ができる「集中クリーンモード」を搭載。これにより通常モードでは12時間かかる除菌、脱臭が6時間に短縮できる。次亜塩素酸の濃度は、有人空間に配慮し、放出される次亜塩素酸は0.1ppm未満になる。
パナソニック エコシステムズ 常務取締役IAQビジネスユニットビジネスユニット長の山内進氏は「就寝前やお出かけ前などに使用すると、朝起きたときや帰宅後にきれいなお部屋で過ごせる。焼き肉など匂いのある食事をしても、しっかり脱臭できる」と用途を説明する。
集じんは「HEPAフィルター」により、花粉、ハウスダストといった汚れにも対応。キャッチした菌、ウイルスも放出された次亜塩素酸の一部で抑制する。加湿は、本体内で生成する次亜塩素酸水溶液が菌を抑制し、トレー、除菌フィルターを清潔に維持する清潔加湿で、「多め」を選べば加湿量が650mL/hになるとしている。
サイズは高さ710mm×幅398mm×奥行き270mmで、重量約約11.8kg。タンク容量は約4.0リットルになる。
業務用は、60畳までに対応したF-JDU75と45畳までのF-JDU55の2モデルをラインアップ。除菌、脱臭効果の要となる「次亜塩素酸水溶液」を電解生成するエリアと、汚れた空気を次亜塩素酸と反応(除菌・脱臭)させる除菌エリアを分離した新機構「ジアチャージ方式」を採用しているのが特徴で、次亜塩素酸の安定生成と即時補充を実現する。
本体にはHEPAフィルターも搭載し、空気中の花粉、ウイルス等の除去も可能。空気浄化性能が向上し、幅広いニーズに対応する。
従来品では給水の度に必要だった塩タブレットの投入も自動化。ジアチャージ方式の採用によって毎日の排水作業も約月1回の頻度に省力化できるとのこと。さらに、センサーによって空気リスクを判定でき、リスクレベルに応じて運転強度を調節する「自動運転モード」も備える。
サイズは高さ730mm×幅510mm×奥行き307mmで、重量約19(F-JDU55は18)kg。タンク容量は約8.4リットルになる。
パナソニック 空質空調社副社長でパナソニック エコシステムズ 代表取締役社長の小笠原卓氏は「2019年まで脱臭をメインに取り組んできたが、2020年はコロナによる影響があり、ジアイーノを除菌手段の1つとして考えていただいた方が増えた。それが一過性であるかというとそうではなく、2021年も2019年比で需要が上がってきており、お客様の空気質に対する関心は高まっている。これを事業拡大のチャンスと捉え、ジアイーノなどの単体製品と天井埋込形などのシステム製品をあわせ、2025年には500億円の事業にまで成長させていきたい」とした。
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