日立製作所とイーヒルズは8月3日、施設の衛生管理状況を見える化するサービス「T*Plats」を共同開発し、日立の新サービスとして提供を開始すると発表した。
T*Platsは、イーヒルズが提供するLoRa方式ネットワーク対応の「環境測定用IoTセンサー」を店舗や施設に設置して、大気中の二酸化炭素濃度や温湿度などを測定し、データに基づいた衛生管理を可能とするサービス。
内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「IoT社会に対応したサイバー・フィジカル・セキュリティ」(研究推進法人:新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究成果を活用して開発したという。
環境測定用IoTセンサーでは、 換気度合いを示す二酸化炭素濃度に加え、騒音度合いや温湿度、独自のアルゴリズムによる混雑度を測定可能。換気度合いなど目視だけでは適切に行われているか判断できない要素をデータ分析でリアルタイムに把握でき、効率的な換気対策ができるという。2021年に実施した実証実験では、冬場の暖房を最大50%削減できることを確認したとしている。
小型設計とバッテリーの内蔵で設置場所を選ばず、あらかじめ設定した基準値に反応してSNSやメールで衛生管理状況を施設管理者へ通知する機能も搭載。蓄積したデータを分析した月次レポートも発行されるため、レポートをもとにした衛生管理の改善などにも活用できる。
店舗や施設の管理者は、従来目視では適切に行われているか判断できなかった衛生管理を徹底できるほか、T*Platsの公式ホームページ上で、衛生管理状況をエンドユーザーに対して発信、公開することも可能だ。
両社では、施設の徹底した衛生管理と、利用者にとっても安全安心な施設選びを可能にする仕組みを実現するため、不動産デベロッパーや飲食店、公共施設など約200カ所で店舗の感染対策状況を可視化する実証実験を実施。
実証に協力した施設からのフィードバックをもとに、システムの開発や機能の改良を重ね、T*Platsとしてサービスを提供することになったという。
今後両社は、商業施設やオフィス、公共施設など、幅広い施設でT*Platsの導入、普及を目指す。また、デジタルサイネージと連携し、店頭でも衛生管理状況をリアルタイムで見ることができる機能の提供や、他のデータと組み合わせた新たな活用方法の提案などの取り組みを進めていくという。
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